-
2月 観音朝詣りのお知らせ
2025年2月22日昨年、国連の女性差別撤廃委員会から日本国政府に対し、天皇の継承が原則男性に限られているのは女性差別に当たるので、是正するようにとの勧告がありました。
日本も含めて、世界の大多数の国が採っている国家体制は民主主義です。
そして民主主義の根幹にあるのは、全ての人間は自由で平等であり誰もが生存と幸福を求める権利があるという人権思想です。人権思想からは、人種差別、性差別などはあってはならないこととされます。
皇位の継承は、正確には男系の皇統にある皇子、皇女に限られるものであり、女性天皇はあっても、その天皇の皇子は天皇の資格は持たないというものです。
根本において男性優位であることは明らかです。
人権思想を論理的に推し進めれば、皇位継承は性差別に当たるとの人権委員会の考えは理解しやすいと思えます。
実際、この勧告を妥当であると思う人も多いと思います。
しかし、また反対に、この勧告を不愉快に考える人も多いはずです。
それは、天皇制は日本の歴史に不可分に関わってきたものであり、政治だけでなく、伝統として形づくられた日本の文化、日本人の心情にまでその影響は計り知れないものだからです。
実際、天皇制の最大の危機であった昭和の敗戦後も、国民統合の象徴として天皇が残ったことにより、日本の歴史、文化の一貫性が保たれたといってよいでしょう。
その地位や資格について、外国からとやかく言われたくない。
実は私もそんな風に考えています。
人権思想の前提とする個人の尊厳や、そこから出発した理論展開は批判しがたいようにも思えます。
しかし、それでも納得がいかないところが、少なくとも私にはあるのです。
その時代には完全無欠とされた思想、主義はたくさんありました。
しかし、それらの思想、主義によって現実世界を固めてしまうと、とんでもない矛盾や悲劇が生まれたのも事実です。
完全に見えても実は現実との齟齬がある。ものごとを柔軟に見ることができる柔らかなこころが大切です。
令和7年2月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺東堂 安藤明之
十八日の朝詣りは午前9時から行います。