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令和6年10月 朝坐禅会「指月の会」案内(10月28日朝6時半より)
2024年10月27日迷故三界城(迷うが故に、三界は城なり)
悟故十方空(悟るが故に、十方は空なり)
本来無東西(本来、東西はなく)
何処有南北(何処んぞ南北あらんや)
お遍路、四句の祈り
先週、足利の両崖山を歩いてきました。
数年前足利の山火事で全国ニュースになっていた低山ハイキングの山です。
元々山歩きは好きで、小学生の頃に日光男体山のご来光を拝む登拝祭に出て以来、県内方々の山を歩いてきました。
とはいえソロの日帰りで楽しむ程度なので、専ら日光や那須の人が多いところを歩く事が多く、それも住職になって以降忙しくなってサボり気味でした。
大遠忌本山参拝が終わって時間が出来たので、勉強会仲間と短いながらも歩いてきましたが、やはり山登りはいいものです。
山歩きの楽しいポイントは様々あります。
仲間との時間を共有して緑や岩場の自然を楽しむ、高いところからの景観を楽しむ、運動の後のグルメや温泉を楽しむ等など有りますが、私にとっての一番のポイントは
「煩いのない時間と生の実感を楽しむ」です。
作為のない山の自然の中、力を尽くして歩む時間は、喜びでもあります。
もう一つの趣味でもある自転車や坐禅の時間にも通じてくる物ですが、昔歩いたお遍路や、板東の巡礼の旅でも似たものを感じていました。
巡礼の懐深い霊場に人生の荷物を預け委ねて、煩いから離れて一心に祈る、純粋になれる時間が通じる所があると感じさせてくれるのでしょうか。
霊場の巡礼というのは日本で古くから行われていました。
日本最古の霊場である西国三十三観音札所巡りは観音様の奇瑞が現れた場所を霊場として祀る寺が建てられ、平安期の貴族の信仰を集めて霊場巡りの場が整えられました。
三十三札所の三十三という数字は観音様は三十三身に化身して我々衆生を救けてくださるという御利益に因んでいます。
三十三という数字は、仏教では無限を意味します。
あらゆる場所であらゆる苦難の時、一心に観音様を祈れば、祈りに応じて救助して下さるというのです。
そのお姿は観音様の姿ではなく、祈る者がその時必要としている姿に化身して現れてくださる。
病人の前には名医となって現れるように。
ごく最近の私にとっては、迷っているときに坐禅をする文殊菩薩様のお顔が恩師の和尚さんの顔と重なり、活を入れてくださった時のように。
来月中旬は祥雲寺では久しぶりの西国三十三観音霊場巡りの旅になります。
申し込んでくださった皆さんと一緒に観音様の霊跡をお参りし、喜びを感じる時間と出来るように頑張りたいです。
祥雲寺 安藤淳之
偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。
欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。
我を離れることの出来る閑かな時間、坐禅の時間を御一緒にいかがですか?
当分の間は6時半開始、一炷(坐禅一座)のみとなります。初めての方は15分前に来てください。来月の開催は11月25日となります。また、雀宮善応院坐禅会は第四水曜日以外毎週行っています