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本堂改装工事6(欄間彫刻の設置完了)
2009年7月16日工事も殆どの工程で完了が近くなりました。
数日かかった彫刻絵設置工事も無事完了しました。
手前側に12の干支、一つ内側に曹洞宗の両祖様の一代記、仏様の部屋の前には獅子と鳳凰の彫刻が入りました。
エレベーターの設置工事もほぼ完了。
法律に合わせるためエレベーター単独で耐震性を確保する必要性があったので鉄骨でしっかり囲われたつくりになりました。
天井絵の設置工事中。
前回の更新で引っぺがしたコンクリートむき出しの天井に
志賀建設で作り、漆を塗ってもらった格子を組み立てて絵をはめ込んでいきます。
下から見上げるとなかなか面白い写真になりました。
完成した天井はやはり寄付していただいたお檀家さん達にまずお披露目をするべき、とのことで
8月29日の祥雲寺施餓鬼会の際に落慶式を並行して行うことになります。
その為完成写真も施餓鬼会が終わってから掲示したいと思います。
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本堂改装工事5(天井絵設置工事の開始)
2009年7月1日内陣(仏様をお祀りする場所)に足場が組まれています。
いよいよ今回の工事のメインでもある天井絵設置工事も本格的に開始となりました。
見づらいですが格天井の格子の間にベニヤ板がはられているのが見えます。
まず最初にはられていたベニヤ板をはがし、ペンキで塗られただけの格子を解体して
きちんと漆で塗られた格子を設置していきます。
今回の工事にあたって、福井あわら温泉にある宮大工の志賀建設さんに来ていただきました。
志賀建設の作業場風景。
こちらの方で格子が作られました。
作業場で削られた格子に漆を塗っています。
ほこり厳禁の場所ですので遠くから撮影させてもらいました。
こちらがすでに塗り終わり、乾燥させているパーツです。
きちんと日数を置いて乾燥させないといけない為
工期をきちんと計算して行わなくてはいけない大切な工程、とのことです。
格子が取り除かれ、きれいさっぱりしてしまった天井部。
これからここに新しい格子がはめ込まれていきます。
乾燥が終わり、北陸から輸送されたばかりの格子が組み立てられていきます。
約一週間で完成するそうです。
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本堂改装工事4(欄間彫刻の設置工事)
2009年7月1日工事も佳境に入り欄間の設置工事と天井絵の設置工事がほぼ同時に始まりました。
約30年前、祥雲寺が再建された際に本来本堂で最も荘厳(飾り付けをし場を整えること)に気を遣わなくてはいけない
内陣(仏様をお祀りする部屋)の天井がベニヤ板のまま結局手つかずになっていました。
3年前にこの内陣天井に絵を入れ、仏様への荘厳を完成させようとお檀家さん方に寄付を募りましたところ、当初の予想を大きく
超えて沢山の寄付を寄せてくださいました。
折角の寄付ですので予算を超える分で
彫刻で有名な北陸井波の職人さんに欄間彫刻をお願いし、
3年がかりで完成した彫刻が今回設置されるに至りました。
大間(仏様をお祀りする内陣の正面側)上部から設置が始まりました。
南側の土間が諸々の工事の職人さんたちでごったがえしています。
左側に欄間彫刻がとりあえず置かれています。
こちらは南側に一列に設置される干支の彫刻になります。
井波でもこれだけの彫り物は久しぶりだということで地元のTVでもお仕事が取り上げられたそうです。
大間の南側には曹洞宗の両祖道元禅師と瑩山禅師の一代記の彫刻が並びます。
この写真は道元禅師が唐に渡り、老典座(調理を担当する修行僧)に諭される場が彫られています。
余談ですが今年の春先に上映されていた映画「禅ーZEN」でもまさにこのシーンが演じられていました。
昨年栃木のお寺で撮影されていた際、私も一修行僧役としてお手伝いしてきました。
大間の欄間が設置完了しました。
両側に獅子が、中央に鳳凰が彫られています。
続いて南側の設置に取り掛かっています。
工事が大分続いているので本堂の中が大分ほこりっぽくなってしまいました。
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本堂改装工事3(天井絵設置準備と床暖房工事)
2009年6月25日工事も順調に進み床暖房の設置工事が始まりました。
本尊様をお祀りする内陣、法要を行う導師が入る大間の畳を外し
床暖房用の畳と入れ替えることになります。
天井絵を描かれた杉山寒月先生のアトリエから天井絵が搬入されました。
天井絵には2種類あり、天井中央部を飾る花鳥風月絵はそのまま設置、
その周辺を飾る飛天絵は板に張り替えられてはめ込まれることになります。
東室中での張替え作業。
張替えは上野の石井三太夫表具店にお願いしました。
外壁の塗りなおし作業も順調に進み、二階外壁の作業が終わって
足場も徐々に減ってきました。
エレベーター設置に伴い、車椅子の方でも不自由なく階の行き来が出来るよう
エレベーターまでのスロープの設置工事も始まりました。
工事している間何度も業者さん方と会議をして細部を詰めるのですが
このスロープ一つとっても角度をどうするか、表面の材質はどれにするか、幅はどのくらいにするか、
角はどうすれば使いやすいか、壁からはどの程度間隔を取るのか、可動式にするか設置式にするか等等
課題が幾等でも出てきて遅くまで話し合いが続くこともしょっちゅうです。
建築というのが如何に細かい積み重ねで出来ているのか、関係者の根気の強さに日々感心します。
エレベーター工事も山場を越え
中のかごも取り付けられました。
ついに祥雲寺もバリアフリー化するのか、と思うと時代の流れを感じます。
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本堂改装工事2(本堂内陣の工事準備)
2009年6月25日今回の本堂改装工事では複数の工事を一緒に行っています。
・外壁の塗りなおし
・床暖房の設置
・エレベーターの設置
・格天井(ごうてんじょう)の作り直し、天井絵の設置
・欄間彫刻の設置
この内天井絵は本尊様をお祀りする内陣と呼ばれる場所の天井に入ります。
こちらが現在の祥雲寺内陣、ご本尊お釈迦様です。
これから工事になる為裏手の位牌堂に遷座して頂き、
内陣が広々としてしまいました。
この部屋がこんなに大きかったのかと初めて思いました。
こちらが只今本尊様を御祀りしている位牌堂です。
祥雲寺の本尊様は等身大のお釈迦様ですが
遷座の際に修繕する必要がみとめられた為
現在の本堂が完成した際に新しい大きな本尊様の中に収められた
昔の小さなお釈迦様がお出ましになっています。
内陣の天井部です。
この格子を取替え、間に天井絵がはめ込まれていきます。
こちらは内陣の東側を飾る一枚彫りの彫刻です。
東と西とでお釈迦様の一代記になっており
東側は誕生から四門出遊、出家され悟りを開かれるまでが彫られています。
こちらは内陣西側の彫刻です。
悟りを開かれた後の布教の遍歴、涅槃に入られるまでが彫られています。
正面北側を飾る彫刻です。
左右底辺にお釈迦様の高弟である十六羅漢、全体に五百羅漢が彫られ、
中央上部に祥雲寺の寺紋である三つ巴、
中央下部に祥雲寺檀信徒を表す優婆塞(うばそく、男性)優婆夷(うばい、女性)が彫られています。
昭和23年にもらい火ですべてが焼け消えた祥雲寺が見事再建され、現在も存続しているのは
支え続けてくれたお檀家方あればこそ、との意を込めて中心に優婆塞優婆夷が彫られているのだと教わりました。