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令和6年祥雲寺インドネシア仏跡参拝旅行 報告
2024年6月22日去る6月2日より、総勢21名の団体としてインドネシア参拝旅行に行ってきました。
これまで祥雲寺では平成28年インド仏跡参拝旅行、31年ミャンマー仏跡参拝旅行を行い、コロナ禍の延期を経て今回が第三回目の海外仏跡参拝企画となります。
今回の旅はインドネシアの古都ジョグジャカルタ周辺を回り、バリ島に渡って観光する行程です。
首都からジョグジャカルタに入り、第二次大戦での日本軍南進の目的地となった石油産出地を守る砦跡を通過して、ボロブドゥール仏教遺跡に到着しました。
かつて栄えた仏教国が築き上げ、火山灰と土砂で埋もれる事で往事の壮大な姿を残し世界遺産となったボロブドゥール(丘の上の僧院)は、時代も宗教も超えて見る人の目を瞠らせていました。
イスラム教徒が大半を占めるインドネシアで、大戦後に仏教を復興させた中国系インドネシア人の仏教僧侶ジナラッキタ師は、毎年ボロブドゥールで例祭を行う伝統を作りました。
仏教は一部の人のみ信仰する劣った教えではなく、我々の先祖が信仰してこのような壮麗な遺産を築いた素晴らしいものなのだと説いて、人口のわずか1%未満なれど数百万の仏教信者を集めたそうです。
かつての王国で信仰された大乗仏教に則り、空の智慧を説く般若心経を皆で唱えて参拝しました。
頂上からの眺望は30度を越える南国の熱波を忘れさせる爽やかで澄んだ空と大地でした。
古都の王宮やヒンドゥー教の遺跡を回り、空路でバリ島に渡りました。
バリ島は世界的に有名な観光の島です。
ホテルのビーチはまさに南国のバカンス空間そのもので、長期滞在できないことが悔やまれます。
中部にあるウブド王宮と棚田を観光し、大変な見応えのケチャックダンスを観覧して帰路に就きました。
インドネシアは国是として国民全てに宗教への信仰が求められ、イスラム教キリスト教に並んで少数ながら仏教も信仰されています。他民族他宗教の広大で複雑な国です。
イスラム教圏の国で仏教遺跡のお参りをする不思議、なじみの無い信仰と価値観の土地から見る世界は色合いが違って見えて、馴染んだ常日頃から脱却して違う景色を見つけられる事が旅の醍醐味なのだと改めて思い出させてくれました。
祥雲寺 安藤淳之