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平成30年10月 観音朝詣りのお知らせ
2018年10月17日かつて電子計算機といわれたコンピュータは、進化してAI(人工知能)になりました。
今朝(10月11日)のNHKテレビでAIを使った就職面接試験が紹介されていました。アメリカでNHKの記者が試しに受験した様子が写されました。評価は数値で表され、80数%の値が出ました。記者の感想には、機械に評価されることへの戸惑いが感じられました。このシステムの開発者は、人間による評価は先入観や好みなど個人的な指向に左右されやすいので、企業や組織が必要な人材を採るにはAIを導入するのがよいと話していました。ただ、開発者もAIのどのような判定の過程によって評価数値を出すのかは分からないそうです。
人間を評価するという、本来人間によってのみなされなければな らないとされていたもの、最も人間的な分野にAIが入り込んできたのです。そして、残念ながら、このようなことはこれからどんどん増えていくと思います。
かつて、コンピュータが人間に勝つことは不可能と言われた囲碁で、AIが世界最強棋士を破ったのは一昨年のことです。いまではAIが勝つのは当たり前と思われるようになりました。
億、兆のさらに上の位の数の情報を処理する能力を持ち、人間の感情や価値観などもデータ化して処理します。
AIは既に小説を書き、絵を描いています。医療診断にも導入され始めたそうですが、近い将来にAIの診断の方が医師の診断より信用されることになるでしょう。家事や、介護もAIで動くロボットがやります。
人間より優れた能力を持ち正確で間違いが ない、そのように人間がAIを信用し、さらに言うことを聞いてくれて便利に使えると思い、AIの導入はますます進みます。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか。AIを使っているつもりで、実は使われ、支配されて行くのではないでしょうか。
文学や美術は、人間の感性や価値観で捉えなければなりません。人間は死に、壊(こわ)れ行く生き物です。それだからこそ喜びも悲しみも意味があるのです。データ処理の機械とは決して馴染むことのない一線があるのです。
平成30年10月15日
宇都宮市東戸祭1-1-16 祥雲寺住職 安藤明之十八日の朝詣りは午前6時から行います。