2021年2月17日

門前の昭和小学校児童の社会科見学

住職からの説明に元気に質問していました。
古(いにしえ)より民(たみ)を駆(か)るは信誠にあり
王安石の詩「商鞅」より
<意味> 昔から人を動かすのは言葉をたがえないことにある
アメリカ大統領の就任演説と管首相の所信表明演説を比べるテレビ番組のコメントや新聞雑誌の記事がたくさんありました。
日本の首相を褒めたものは見聞きしませんでした。
聞くものの心に訴えてくるものがないというのです。
演説は人の心を揺り動かして演説者の思うところを人に納得させ、さらには行動を促すためにするものです。
ヨーロッパではギリシャ・ローマ時代から人の上に立とうとする者にとって必須の素養とされました。
チャーチルは少年時代、勉強嫌いの落ちこぼれ生徒でしたが、国語(英語)だけは好きで、特に人の心に訴えかける修辞法を熱心に勉強しました。
彼の演説は、英国民を奮い立たせ第2次世界大戦を勝利に導きました。
確かに政治家にとって演説は大事なものですが、文化の違いを考えないで、演説の善し悪しを比較するのはいかがなものでしょうか。
日本の政治家は概して演説は下手ですから、その中身を丁寧に伝えるのが報道機関にとって何より大切だと思うのです。
私は管総理の政治姿勢や手法には大きな問題があると思っていますが、それはさておいて、演説の技巧に目を向けすぎると、薄っぺらな報道になってしまいます。
また、相手を言い負かして自己主張するだけの無責任な論調も蔓延しているように思えます。
仮に内容に問題のある演説を無批判に持ち上げるようなことがあれば、それは国の将来を誤ります。
チャーチル以上の演説の名手はヒトラーでした。
王安石は、中国の北宋時代に国の改革を成功させた政治家です。彼は言葉は信頼にあると考え、冒頭の言葉に続いて
「一言を重しとなし百金軽し」と言い切っています。
言葉に責任を持つことを信(まこと)と言うのです。
令和3年2月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺住職 安藤明之
寒さ厳しい時ですので
十八日の朝詣りは午前9時から行います。