ごあいさつ

宇都宮市の祥雲寺は歴史のある曹洞宗のお寺です。
栃木県庁のすぐ北にあり、自然林の中には西国三十三番の観音像が祀られています。
また、樹齢350年を超える枝垂れ桜の老樹は県天然記念物として有名です。
たくさんの方々に仏教を親しんでいただくことを願いとし、様々な信仰行事を催しています。

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| 平成21年10月朝参りお知らせ

お知らせの記事

  • 平成21年10月朝参りお知らせ

    2009年10月14日

     

     

    ーーー確かに、夢の中で母たちは

    「復讐しにきてほしい」とはいいませんでした。それは

    「はやくここから救い出して」という切実な叫びでした。

    だから私は、行かないではいられなかったのです。

    それは母たちと私の破ることのできない約束でした。

    ーーー許すことは簡単なことではありません。

    でも、憎むのではない方法を私は探したかったのです。

    久郷ポンナレット『虹色の空(2009年出版)』より

     

    1975年にカンボジアの首都プノンペンを制圧したポルポト派は、政権にあった4年間に150万人以上を殺したと言われます。

    彼らは知識階級を憎み、官吏、教師、僧侶等を殺害しました。

    都市住民を農村部に移動させて権利を剥奪し強制労働による農業生産に従事させました。

     

    久郷ポンナレットさんは1964年、プノンペンで生まれました。

    父親は国立図書館長、母親は教師という知識階級で、それ故にポルポト政権下で死線をさまよった人です。

    父は早くに殺され、母親も農村部で殺されました。

     

    奇跡的に助かった彼女は、姉を頼って1980年に来日しました。

    日本人と結婚し、2001年にカンボジアでの体験を記した「色のない空」という本を出版しました。

    過酷な集団労働、栄養失調で労働に耐えられなくなると姿を消す人達、その人達は農民たちによって殺されたのです。

    多くはポルポトの共産主義に洗脳された少年たちでした。

     

    優しいご主人との間に子供も授かり、幸せを得た彼女でしたが、ある晩、恐ろしい夢を見ます。

    それはカンボジアで殺された家族が救いを求めている夢でした。

     

    彼女は、自分が死に直面した地を再び訪れて、そこで命を落とした7000人のみ霊への供養を行いました。

    供養には、その土地の人を招待し、布施をします。

    かつて彼女たちを苦しめ、沢山の人を殺した人達です。

    それでもポンナレットさんは喜捨をし、ともに冥福を祈りました。

    冒頭の言葉は、この時の、ゆれ動く彼女の心を記したものです。仏教徒としての敬虔さに満ちていて、胸を打たれます。

     

    平成21年10月14日  祥雲寺住職 安藤明之

     

    18日の観音様の朝参りは午前6時から行います。

     

曹洞宗 戸祭山 祥雲寺
栃木県宇都宮市にある曹洞宗 戸祭山 祥雲寺は宇都宮駅からのアクセスも抜群で自然豊かな環境が参拝者に人気のお寺です。
天然記念物にもなっている老樹の枝垂れ桜や、べんてん祭りの時期には県内外から多くの方が訪れ賑わっております。
伝統や文化を大切にしながらも新しい試みや企画も行っていきますので、お近くにお越しの際は、ぜひともお立ち寄りください。


【アクセス】
・宇都宮駅から徒歩26分、車で5分
・宇都宮駅西口からバス(県庁・戸祭台循環)9分、昭和小学校前バス停下車徒歩1分
・東武宇都宮駅東口から徒歩5分、県庁前バス停から4分、昭和小学校バス停下車徒歩1分
・栃木県庁や宇都宮競輪場から徒歩で5,6分

〒320-0054
栃木県宇都宮市東戸祭1-1-16
TEL:028-622-5719
FAX:028-622-5866
祥雲寺行事案内

祥雲寺で行ってる月例行事や年間行事、その他法要・祭りなどについてのご案内です。 行事カレンダーもご確認ください。