
石彫会「羅漢の会」毎週土曜日午後から集まって500体の羅漢様を彫っています。
正命 八正道
5月に引き続き、八正道5番目の正命をテーマにします。
5月の案内で八正道の説明を取り上げました。
世に生きる迷い悩み苦しみを滅する事の出来る術がある、それには八つの正しい行い、道を歩みなさいというものです。
私の大学時代の先生は、仏教とは業すなわち習慣の宗教と説かれていました。
ある講義で、こんな交通標語で説明をされていました。
「交通マナー、守るあなたが守られる」
交通マナーを守ることによって、道路で起こりうる交通事故から身を守ることが出来る。
守ろうとする意識や習慣が、様々な害からむしろ身を守ってくれるようになる。
仏教における戒、盗まない殺さない犯さないなどの、しないことを誓うのもこれと同じです。
悪いことをせず、良いことを心がけ、習慣としていく。
繰り返し身に付き習慣となったそれが、自ずと善きを選び悪しきから遠ざかる自分にしてくれる。
業、すなわち習慣の功徳こそ肝心と教わりました。
今回の正命とは、正しい生活、と現代語訳されます。
辞書によると
「正しい生活とは、身口意の三業を清浄にして正しい理法にしたがって生活する」
三業、人と接する私たちの行い。
身(行為)は人を苦しめ、口(言葉)は人を傷つけ、意(思い)は人を欺く。
慎もうとしても容易に行いきれるものではありません。
難しいからこそ、これらは日々の実践によって清めていくしかありません。
我が宗祖道元禅師は、仏祖に参学することこそ正命と示されました。
私にとって習うべき仏祖とは、やはり福井の板橋禅師以上の方は居ません。
生涯を修行僧としてあるべく修行道場を手ずから建てられた禅師様に習おうとしても到らない点は多くありますが、学びまねて、少しずつ近づいていきたいと願います。
それが自身を清め、そして周囲の人々をも幸せに出来る道であると信じています。
偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。
欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。
我を離れることの出来る閑かな時間を、御一緒にいかがですか?