2021年11月21日
石仏彫刻「羅漢の会」作業場 12月1日無縁供養での完成を目指して彫っています。
正念 八正道
5月に引き続き、八正道7番目の正念をテーマにします。
5月の案内で八正道の説明を取り上げました。
世に生きる迷い悩み苦しみを滅する事の出来る術がある、それには八つの正しい行い、道を歩みなさいというものです。
私の大学時代の先生は、仏教とは業すなわち習慣の宗教と説かれていました。
ある講義で、こんな交通標語で説明をされていました。
「交通マナー、守るあなたが守られる」
交通マナーを守ることによって、道路で起こりうる交通事故から身を遠ざけてくれる。
守ろうとする意識や習慣が、様々な害からむしろ身を守ってくれるようになる。
仏教における戒、盗まない殺さない犯さないなどの、しないことを誓うのもこれと同じです。
悪いことをせず、良いことを心がけ、習慣としていく。
繰り返し身に付き習慣となったそれが、自ずと善きを選び悪しきから遠ざかる自分にしてくれる。
業、すなわち習慣の功徳こそ肝心と教わりました。
今回の正念とは、正道を憶念し、邪念がないことと訳されます。
さとりへの道を歩む目的意識を心にとどめて忘れない、と言えるでしょう。
個人的には、正した心がけを忘れない、と受け取るのがわかりやすいです。
古い仏典では、この心がけを身受心法の言葉で表現しています。
身は不浄なると観察し、感受は苦なると観察し、心は無常なると観察し、存在(法)は無我なると観察する。
身体はそも清らかなるものでは無く、五感は快いものばかりとはならず、定まることの無い心をよく見定め、全てはあるがままにあるのだと受け止める。
我が高祖道元禅師はこの四つの心がけを歴代仏祖の安住のところにして生まれ出でる場所と説かれました。
諸々の執着から離れる道が、この心がけにはあるのです。
偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。
欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。
我を離れることの出来る閑かな時間を、御一緒にいかがですか?
祥雲寺副住職 安藤淳之
当分の間は6時半開始、一炷(坐禅一座)のみとなります。
初めての方は15分前に来てください。
次回は12月27日となります。
また、雀宮善応院坐禅会は第四水曜日以外毎週行っています