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4月 朝詣りのお知らせ
2025年4月26日祥雲寺のシンボルと言ってもいい枝垂れ桜がすっかり弱ってきました。
昭和53年、腐食菌による枯死を防ぐため、高さ3メートルで分かれていた主幹の一方を切り落としました。
以後復活を願って、樹全体の力を付けることを治療の中心に据えて手当てしてきました。
そのためには、樹に負担がかからないよう花芽を摘んで養分を幹に行き渉らせる治療をしたこともあります。
手当の甲斐あって、樹の勢いは増し、張り切った木肌を見て、数十年後の復活を夢見たこともありました。
しかし樹の内部に巣くった腐食菌は取り切れず、勢いあった新生の枝があっという間に枯れてしまったり、主幹も2メートル、1メートルと切り落とさなければなりませんでした。
我が身が癌に冒されたようでもあり、壊疽を患った人が足を切り詰めてゆく悲しさに思い至ったこともあります。
幾百年の命をながらえた樹にも終わりはあります。
生者必滅の理を覆すことはできません。
花が咲くのはあと十年か、二十年か、五十年か。
それならばこそ、春の盛りには精一杯の花を美しい姿で付けさせてあげたいと思います。
今年は、冬に肥料を充分やりましたので花の付きが良く、色も美しかった。
枝のバランスを支柱で調整してやればもっと美しくなるでしょう。
幸いに、次の代の桜が大きくなってきました。
昭和23年3月9日、山越の火を受け、祥雲寺の全伽藍が焼失したとき本堂側の部分が類焼したのが枝垂れ桜の衰弱の始まりでした。
その年に芽を出した苗4本を、裕之和尚が大切に育てた木が今も残っています。
弁天堂のそばに一本、山の上に一本、後ろの谷間に二本。
樹齢77年、きれいに花を咲かせています。
特に谷の池端の樹は大木になるでしょう。
大事にしていきたい、大事にしていってもらいたいと思っています。
令和7年4月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺東堂 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時から行います。