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平成26年8月観音朝詣り
2014年8月12日観音札所道中
天皇皇后両陛下は、本年6月、即位以来5度目となる沖縄行幸啓をされました。
6月が沖縄戦終結の月です。
終戦60年目の平成17年にサイパン島に行かれ、70年目の来年には、パラオ諸島など南太平洋の島々を訪ねたいとのご希望だそうです。
いずれの行幸も、戦死した兵士達、犠牲になった民間人、さらには現地の人たちもふくめた多くの御霊への追悼のためでありましょう。
成算なき戦場に追いやられ、米軍の銃火にさらされ、玉砕し、自決し、果ては餓死に至った人々、原爆や無差別爆撃の犠牲になった人々。
これら何百万の人々の無念さを思い遣る時、だれしも反戦の思いを強くします。昭和の戦争は、日本国民共有の悲しみであり悼(いた)みです。
両陛下の行幸啓には、追悼だけでなく、皇室として責任を取る御心が働いていると、私は感じます。
戦争に到るまでには、さまざまな政治的、外交的、歴史的要因があり、あるいは不可避であったかもしれない。
一部の人たちに責任のすべてを押し付けることはできません。
しかし、あの無謀な戦争を引き起こし遂行した責任を、歴史的必然から来たこととし、指導者が責任逃れをして良いはずもありません。戦争は天皇制のもとで起きました。
私の父が、天皇の馬鹿野郎と言ったのを、何度か聞いたことがあります。
シベリヤ抑留まで含めると足かけ10年、兵卒として下士官として軍隊にいた者の偽らざる気持ちです。
昭和天皇は、いのちを賭して終戦を決意し、8月15日の詔勅を読まれました。
日本史上最も英邁な君主であった昭和天皇でも取り切れなかったその責任を、今上陛下は受け継いで取られていると思うものです。
震災の避難所で正座をされて被災者に言葉をかけられている両陛下には、国民とともにおわすという御心がにじみ出ています。
このような方の追悼はまことにありがたいと思います。
平成26年8月15日 祥雲寺住職 安藤明之
18日の観音様の朝詣りは午前6時から行います。
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平成26年7月観音朝詣り
2014年7月30日境内に咲くアジサイ
銀座をはじめ東京の高級店街はいま大好景気だそうです。
高級飲食店は満杯、ブランド品や高額食品が飛ぶように売れ、数億円もするマンションがあっという間に売り切れているようです。
理由はアベノミクスによる株価の値上がりや、賃金上昇によって富裕層の購買意欲がいちじるしく高まったためということです。
宇都宮では、景気について人に聞いても、少しは良くなっているのかなという感想を聞く程度です。
それよりも目抜きの大通りがシャッター街と化している現実に町の衰えを感じ、消費税増税にともなう物価や公共料金の値上がりがじわじわと生活を圧迫しているのを感じています。
定年を過ぎた人たちは、超低率の預金金利や、年金の削減によって、今後の生活への不安を抱えています。
何よりも、いま日本を支えている世代、特に若い世代の人たちの労働環境が悪化し、ワーキングプアと呼ばれる人たちの数が増大しています。
何かがおかしい。
昭和では、高度成長の結果ほとんどの国民が豊かさを感じた時代がありました。
実態はともかく、一億総中間層といわれました。
いまは格差社会という言葉があり、貧富の差が増大し、支配する者と支配される者が固定化しつつあります。
グローバル化、規制緩和といった美辞麗句のもと、よりどころとなる共同体を失った一人ひとりの国民が、激しい競争にさらされています。
生まれるのは少数の勝者と多数の敗者。
これは、アメリカを手本とする政策が推し進められ、アメリカ化した結果といえます。
アメリカは理想社会ではなく、現実のアメリカは格差の著しい社会です。
私は、社会の進む方向が間違ってしまったと思っています。
これを正すために微力でも何が出来るかを考える毎日です。
平成26年7月15日 祥雲寺住職 安藤明之
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平成23年初盆施餓鬼
2011年8月11日もうじきお盆を迎える時節になりました。
お盆というのは新暦の7月に行われたり、月遅れで行われたりすることが一般的ですが、
もともとは仏教の経典にも出てくる祭日です。
インドでは、4月ごろから7月ごろにかけて雨が多い季節となり、
お釈迦様の時代からこの時期を「雨安居」と言って
仏教徒は極力外出せず集中して修行生活を行う時期としてきました。
この修行生活が終わる7月15日、お釈迦様は供養のために集まった人々に
この修行を終えたお坊様たちに心をこめて供養するよう勧め、その功徳は計り知れないとお説きになられました。
この習慣がやがて、今は亡き先祖や様々な仏様に供養する「お盆」として定着したということです。
祥雲寺では毎年8月7日を、今年初盆を迎える方にお迎えの仕方を説明しご供養を行う
初盆施餓鬼の日としてきました。
天候が不安定な日が続きましたが、夏らしい暑い日になりました。
まず午前中は初盆を迎える方々にお迎えの仕方や心構え、盆棚の造り方の説明を行います。
お昼は僧侶参加者そろっていただきますをします。
不思議なことに粗食というのは、畏まって食べるほうがおいしく感じられるものであったりします。
午後になり、供養の法要「お施餓鬼」が始まります。
導師が施餓鬼棚に供物を備え加持祈祷を行い、亡くなられた方々の供養を行います。
ご詠歌講の皆さんが法要にあわせてお唱えをし、場の荘厳に彩りを加えます。
法要の最後に参詣者焼香となり、法要終わりとなります。
最後に施餓鬼棚に祀られたお塔婆を受け取って解散になります。
とても暑い日の法要となりましたので、入り口で麦茶をお出ししたら皆さん美味しそうに飲み干していました。
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平成22年初盆供養(8月7日)
2010年8月9日本堂裏手の池では蓮の花が綺麗に咲いています。
7月上旬のべんてん祭りの頃から咲き始め、ほぼ一月の間通る方の目を楽しませてくれてきました。
もうじきお盆を迎える時節になりました。
お盆というのは新暦の7月に行われたり、月遅れで行われたりすることが一般的ですが、
もともとは仏教の経典に出てくる斎日です。
インドでは、4月ごろから7月ごろにかけて雨が多い季節となり、
お釈迦様の時代からこの時期を「雨安居」と言って
仏教徒は外出を極力せずに集中して修行生活をする時期としてきました。
この修行生活が終わる7月15日、お釈迦様は供養の為に集まった人々に
この修行を終えたお坊様たちに心をこめて供養するように勧め、その功徳は計り知れないとお説きになりました。
この習慣がやがて、今は亡き先祖や様々な仏様に供養する「お盆」として定着したということです。
祥雲寺では毎年8月7日を、今年初めて初盆を迎える方にお迎えの仕方を説明し御供養を行う初盆施餓鬼会の日としてきました。
まず午前中に初盆を迎える方たちにお迎えの仕方や心構え、精霊棚の作り方の説明をします。
建物の中にいても暑い時期なので扇風機を回しますが、それでも暑い人のために団扇を配布しています。
お昼は皆さんそろって精進料理をいただきます。
不思議なことに粗食というのは、畏まって食べる方がよりおいしく感じられるものだったりします。
午後に入り供養の施餓鬼会となります。
縁のあるお寺様方に御助力頂き、鉦や太鼓を鳴らして盛大に始められます。
こちらは祥雲寺の施餓鬼棚、一般で言うところの精霊棚になります。
この一年で亡くなられた方の位牌をお祀りし、供養を行います。
法要の最後に今年初盆を迎える参列者による焼香を行い、最後に供養した卒塔婆をお渡しして今年の初盆施餓鬼も無事終わりました。
今年の8月7日は祥雲寺初盆に続いて
宇都宮仏教会主催による川施餓鬼(灯篭流し)をお勤めしてまいりました。
宇都宮仏教会では8月第一週に行われる宮まつりに合わせ、
駅前田川にて灯篭流しを例年行ってまいりました。
上の写真は川辺に設けられました施餓鬼棚と法要会場です。
夜7時になり、川施餓鬼が始められました。
最初に法要を行い、川に灯篭を流した人から焼香を行っています。
毎年数百人の人が灯篭片手に並び、お祈りをする夏の風物詩でもありますが、
今年は特に多かったようで用意していた灯篭が無くなりかけてしまったそうです。
焼香をする施餓鬼棚の後ろを、並ぶ人の数以上の灯篭が流れて行きました。
8月は、やはり日本人にとって特別の月であると感じさせてくれます。
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晩春の祥雲寺
2010年5月16日桜の季節も終わり、しだれ桜も若葉生い茂る季節を迎えています。
去る4月29日、祥雲寺本堂にて第27回仏教を知る会を行いました。
最初に本堂で仏様にお参りをし、午前中に曹洞宗「修証義」の解説を住職が行います。
午後の時間は毎回違う方を講師にお招きし、様々なお話を聞ける場所としています。
今回は埼玉県東陽寺住職の鈴木永城老師に御講演頂きました。
5月になり、連休に入ったところで
すっかり毎年恒例になってしまった
昭和わんぱくくらぶによるたけのこ掘り会を行いました。
わんぱくくらぶは祥雲寺門前にある昭和小学校の放課後児童交流会です。
毎年たけのこの時期になると、土に慣れ親しんでもらおうとたけのこ掘りを行っています。
今年は晴天に恵まれ、お父さんお母さんと笑顔で楽しんでもらえたようです。
天候不順で少し遅れたようですが
しだれ桜横の藤棚もよい花を咲かせました。
世間でミツバチが少なくなっているというのがウソのように
ハチがぶんぶん飛び回っていました。