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12月観音朝詣りのお知らせ
2023年12月24日同事といふは不違なり、自にも不違なり、他にも不違なり
道元禅師「正法眼蔵」
「同事」の教えは自他を区別しないことである。
仏 教には菩薩の理想的な生き方を示した四攝法という教えがあります。
布施、愛語、利行、同事という教えです。最後の「同事」は、文字からだけでは意味することの見当がつきません。
私は毎月のこのお便りで、その一つ一つについてたびたび取り上げてきました。
「同事」については、退任記念文集「守拙」に「いつもニコニコ」と言う題を付けて採り入れた一文の中で、仏教辞典にある「協同」という訳語を紹介し「信頼」と訳してもよいのではないかと記しました。
これについて足利市長林寺住職矢島道彦先生からご教示を受け、私の「同事」の教えについてのとらえ方が不十分であり誤りもあることに気づきました。
そこで、改めて私なりに説明いたします。矢島先生の著書を踏まえたものです。
「同事」の本来の意味は「同自己」とも訳するもの、即ち他人が自分と同じ存在であることを自分の心の内に認めて自他を分けへだてしないことを意味します。
そうするとどのようなことが起きるのか。
私たちは生きることを願い、死を恐れています。
楽しいことを願い、苦しみなかれと願ってもいます。
そういう自分の身に引き比べて、他人の喜び悲しみ苦しみも同じであることを認め、深く共感して共に生きていく道を歩むことになります。
このような生き方からは差別は起こりません。
力を合わせて生きとし生けるものが皆幸せである世界を作っていこうとする行ないの源となる思想です。
「同事」は、仏教の慈悲の根本を表わす教えでした。
令和5年12月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺東堂 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時半から行います。