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4月 観音朝詣りのお知らせ
2024年4月20日今年は大本山總持寺御開山瑩山禅師の700回大遠忌に当ります。
4月1日から21日迄は本法要に当たり、私は鶴見の大本山に詰めてお経を上げて報恩の供養を勤めています。
50年前の650回の大遠忌の時は修行僧として安居していましたので2度目のお勤めとなります。
法要のほとんど全ては、總持寺の本堂に当る大祖堂で行なわれます。
一つ一つの法要の開始を告げるのは大祖堂の中の鐘鼓楼に下げられた殿鐘です。大きな鐘ですが柔らかくて澄んだ音色を響かせています。
僧堂では、鳴らしものといって、声を出さずに鐘、太鼓、木版等の楽器によって行事の伝達がされます。
新参の僧は、鐘司という役を与えられ鳴らしものを担当します。
鳴らしものを覚えなければ修行生活が送れないのですから、必死です。
その中でも大祖堂の鐘を鳴らすのは最も責任の重い役目ですから緊張と責任感をもって務めます。
大祖堂の鐘は總持寺での修行の象徴といってもよいものです。
この鐘は、昭和40年に現在の大祖堂が新築された時に祥雲寺によって寄進されました。
梵鐘の大きさで殿鐘に求められる高い音色を出すことは困難なのですが、日本一の梵鐘鋳造所富山県高岡市の老子製作所の主人老子次右衛門が人間国宝鋳物師香取正彦の協力を得て鋳造しました。
その時に大きさを変えて試作した鐘が、現在祥雲寺本堂にある殿鐘です。このお二人は後に広島平和の鐘を製作しました。
このような鐘を寄進するのはたいへん名誉なことです。
これについては、祥雲寺26世白巌器之和尚が、大本山總持寺の能登から横浜への移転に当って先ずなされた仏殿の建立事業で、現場の庶務を務めて、裏方として並々ならぬ功績があったことを、当時を知る人が覚えていて認められたとのことです。
殿鐘には、その時寄付に応じてくださった100余人の檀家の方々の名が刻まれています。
これらの方々の信心があって、寄進することができました。ありがたいことです。
令和6年4月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺東堂 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時から行います。