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8月 朝詣りのお知らせ
2025年8月24日おせがきは、ご先祖への供養法会として営まれます。
曹洞宗を含めて多くの宗派の寺院の大事な行事となっています。
漢字で施餓鬼と書き、餓鬼に施すという意味です。
ご先祖への供養がどうして餓鬼に施す供養なのでしょうか。
餓鬼とは、餓鬼道にある死者を指しますが、広い意味では供養を受けることなく満たされない境遇にある無数の死せるものを表わします。
この餓鬼のために仏様の大慈悲を仰いで供養するのが施餓鬼法要です。
導師は、満たすことの象徴である食物を、仏の威神力を借りて無限倍にする作法を勤めますので、施食法要とも言います。
そもそも先祖供養は、報恩感謝の思いからなされるものです。
そしてその感謝の思いは、この世に人と生まれ生きていること、いのちあるをありがたいと思う心から生まれます。
いのちは父母によって受けます。
父母はその父母から、さらには遠く連なる先祖からいのちを受けてきました。
いのちの繋がりのかけがえのなさ、有ること難さを思ってなされるのが先祖供養です。
但し、そのいのちの繋がりは血の繋がりによってだけで成り立つものではありません。
人が生きられるのはこの世にある全てのものからのめぐみを受けているからこそです。
いのちと一番緊密にかかわる食べ物について考えてみればわかりやすい。
天地のめぐみを受けた作物が、無数の人々の関わりを経て食卓に載せられます。
肉、魚ならばそのいのちを取って食べ物となっているのです。
これをあたりまえのこととせずに、人間は天の恵み、地の恵み、人の恵みによって生かされているのだと思い至ることが大切なのです。
そして、恵みをもたらしてくれたなかには、顧みられることなく満たされない境遇にあるものが無数にあり、これを餓鬼という言葉で表わして、父母、ご先祖と分け隔てせずに供養するのが施餓鬼法要なのです。
令和7年8月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺東堂 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時から行います。