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今年最初の雪景色
2010年2月3日昨日は宇都宮でも久しぶりの積雪になりました。
昭和の頃は毎年かなり積っていたように思いますが
平成の二桁以降は降っても積らない年が多く、今年は雪自体無いかもしれないと思っていたので少し驚きでした。
やはり冬の景色はこうでなくては、と思います。
雪かきも毎日のことでなければ楽しいものです。
入り口の梅園に行ってみると
既に写真愛好の人が来ていました。
さすがに反応がいいです。
今年は梅がもう満開になっていたので
きれいな雪中梅になりました。
これを見ると
冬もそろそろ終わりなのだな、という気になってきます。
授業が始まる前の時間で昭和小学校の一年生達が遊びに来てました。
先生が言うには、雪の梅を見せていたらだんだん上に上っていって
遂には受付前で雪合戦になだれ込んでしまったそうです。
子供のにぎわいを見てると、こっちの方まで楽しくなってきます。
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平成22年1月朝参りお知らせ
2010年1月14日疑いは人間にあり。天に偽りなきものを。(能楽「羽衣」より)
「羽衣」は、数ある能楽の中でもきっての名曲です。
明るく、すがすがしく。晴れ晴れとしてくもりがありません。
能の羽衣の舞台は、美保の松原です。
白砂青松の浜辺、青々と広がる海の彼方には、富士の霊峰が聳え立つ。
まさに日本有数の絶景です。
白竜という名の漁師が松に掛けてあった美しい衣を見つけ自分のものにしようとします。
そこに天女が現れて返してくれるよううったえます。
漁師はなかなか返そうとはしないのですが、天女があまりに嘆き悲しむのを見て哀れに思い、天人の舞いを見せてくれるのを条件に返そうと告げます。
しかし天女は、衣がなくては舞うことができない、まず返してほしいと言うのです。
漁師は返してしまったらそのまま天に昇っていってしまうのではないかと疑いの言葉を投げかけます。
冒頭の言葉はそれに対する天女の答えです。
「疑いの心は人間世界のものです。天界にはうそ偽りはありません。」
それを聞いた漁師は羽衣を返します。
天女は約束通り舞楽を舞い富士の頂きを超え天上へと飛び去っていくのです。
羽衣伝説は各地にあり、男が羽衣を返さないで天女と夫婦になるというものが多いのですが、能「羽衣」の素晴らしさは、漁師が天女の言葉を信じるところにあります。
人間を超えた存在に対する畏敬の思い、神仏への信頼が素直に表れています。
平成22年が始まりました。
天上界だけでなく、私たちもお互いを信じあい、今年一年が晴れ晴れとしたものとなるよう祈っております。
平成22年1月14日 祥雲寺住職 安藤明之
18日の観音様の朝参りは午前6時半から行います。
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平成21年12月朝参りお知らせ
2009年12月14日先月、チベットの仏像から受けた感銘について記しました。
仏像が初めて造られたのは、紀元2世紀頃と言われます。以来、仏像は仏教徒の信仰の中心となりました。
実は「ほとけ」という言葉はもともと仏像を意味するのだそうです。
インドの言葉で、目覚めた人、悟った人を意味する「ブッダ」を、中国では「浮屠」と音写しました。
その文字を古代日本人は「ふぉぇとぇ」と読み、それに「目に見える形」を意味する「け」という音を付けて、ブッダの姿、すなわち仏像を意味する言葉ができました。
これは先年亡くなった国語学者の大野普先生の説です。
大野先生はさらに、「カミ」が、「カミナリ」に表わされるような自然の絶大な力をもとにした、只ただ人間を畏怖させる存在だったのに対し、「ホトケ」は人間としてのさまざまな苦しみを救済してくれる存在として、古代日本人の前に現れたと述べています。
京都、太秦の広隆寺の弥勒菩薩像は国宝指定第一号の仏像です。
高校の修学旅行で初めて御像を目の当たりにした時のことを思い出します。
静かにほほえんだお顔を拝み、ほほにそっと添えられた指先を見ていると魂がすくい上げられていく思いがしました。
この弥勒菩薩は7世紀前半に朝鮮半島から招来されたか、あるいは日本で造立されたとされます。
いずれにしても百済から日本に公伝されて間もない頃です。
古代の人も、私たちと同じ思いで仏像を拝んだに違いありません。
時を貫いているものは、人の世の苦しみ悲しみを憐れみたまいやさしく包んでくださる慈悲のお姿です。
平成21年12月14日 祥雲寺住職 安藤明之
18日の観音様の朝参りは午前6時半から行います。
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平成21年納経会(成道会)
2009年12月14日12月8日はお釈迦さまがお悟りを開かれた日です。
三仏忌といって、仏教では4月8日の花まつり(生誕日)、2月15日の涅槃会(命日)と並び、
12月8日を成道の日、修行が成った聖日としてきました。
祥雲寺では8日に前後して日を定め、写経会参加者の写経を納めて成道の御祝いの法要をしています。
最初に写経会の皆さんで本尊のお釈迦さまにお参りし、香を薫じます。
続いてお釈迦様のお祀りされている台座(須弥壇)に、お経を書いた石を投じます。
祥雲寺の須弥壇の下には地面まで続く柱があり、その中は空洞になっています。
この空洞に毎年写経会参加者の書いた経石を投げ入れ、仏様の台座の礎としています。
祥雲寺では毎年5月~11月で月一回の写経会を行っています。
写経の始まりを4月花まつりの大写経会とし、終わりを12月成道会としており、
会の参加者には毎年干支の文鎮を用意してきました。今年は虎の文鎮になります。
12年で丁度一めぐり、12年続けられた方だけ完成できるささやかなコレクションとなります。