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30年11月 朝坐禅会「指月の会」案内
2018年11月22日「正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんがためなり」
五観の偈
上記の一文は、曹洞宗の僧侶が食事の際に唱える文言です。
日常の生活すべてを修行の場と心得、食事もまた修行と永平寺の道元禅師は説かれました。
修行の目的とは、三毒と呼ばれる悪行の根っことなる心の働きから離れることです。
三毒とは貪(むさぼり)瞋(いかり)痴(おろかさ)の三つです。
・貪とは貪欲。むさぼり執着すること。
・瞋は瞋恚で、自分の心に違うものをいかり憎むこと。
・痴は愚痴で、ものの道理のわからぬ愚かさのこと。
心の迷いを防ぎ、身と口がつい犯してしまう過ちから離れるには、この三毒をなくすことが最高の修行であると説かれています。
食事は生きることに欠くことは出来ません。
しかし不足するなら不和が生まれ過ぎたならば健康を害するものとなります。
美味しすぎればむさぼりの心が芽生え、不味い足りないとなればいかりの心が燃え上がります。
先日勉強会である人から指摘がありました。
「現代の食生活は、美味しすぎるから過食という病が生まれるんだ」と。
ジャンクフードと呼ばれる、現代に多く見られる部類の食事は味が濃いのが特色です。
味が濃いと味覚が強く刺激されて、脳内麻薬が分泌されるから限度を超えて食べてしまうそうです。
そうしたことから、昔の人は精進料理と呼ばれる修行者むけの味の濃くない料理を作ったのです。
精進料理は淡味、ダシを主軸とし、素材の味を生かした料理とされます。
味の濃くない、それでいて十分においしい料理によって、貪りの心等の欲望を惹起されすに、体が病み衰えることのないように力をつける薬として頂くこと。
それが精進料理のコンセプトであり、食事を頂く僧侶にあるべき心構えとなるのです。
食欲の秋、私もまた過ぎることがないように心しなくてはなりません。
祥雲寺副住職 安藤淳之
一人で修行を行おうとすると、怠けてしまったり後回しにしてしまい続かない場合もあります。ですがみんなで行えば、難しいことでも楽しく行えるはずです。この朝坐禅会はそのような場となるよう始めました。一日の始まりを迎えるこのひと時、ご一緒に「かろやかに」生きてみませんか?日時:11月26日(月)朝6時半~8時(途中参加、途中退出可)
6時30分~7時10分(一回目の坐禅)
7時20分~8時 (二回目の坐禅)
場所:祥雲寺本堂一階
用意:身一つで大丈夫です。
足の組めない方は椅子での坐禅もできます。
注意:初めての方は最初に指導を行います。
その為可能ならば一回目の坐禅から参加されてください。
また、祥雲寺では毎週水曜夜6時(第四水曜のみ休み)、雀宮布教所「善応院」にて坐禅会を行っています