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令和元年12月 観音朝詣りのお知らせ
2019年12月18日12月6日、大嘗宮を参観しました。大変な人出でした。大嘗祭は天皇即位の最も重要な儀式で、今回はその模様がテレビで中継されました。儀式の中心になる悠紀殿、主基殿での行事は秘事とされ見ることはできませんが、まことに厳かな儀式でした。悠紀殿の神饌に、高根沢町の米が選ばれたことから、大嘗祭に関心を寄せた栃木県民も多かったと思います。大嘗祭はまぎれもない宗教儀式であり、厳かさもそこに由来します。そのことから、憲法の規定に違反するのではとの批判がありました。条文に照らし合わせれば当然の批判ではあります。しかし、憲法が国民統合の象徴としての天皇から始まっていることを踏まえれば、即位儀礼を否定できないし、儀礼の宗教性を否定することもできないと思います。日本国憲法は、宗教のことについて大きな矛盾をはらんでいて、これを解決するには、天皇の条項を削除するしかありません。象徴天皇制に反対する人も多いでしょう。それはそれでいい。しかし、大嘗宮の参観者が18日間の期間中におよそ80万人と発表されたように、国民の多くが皇室に関心を持っているし、好意も持っていることも確かなことと思います。憲法改正の論議が進められようとしていますが、象徴天皇制を見直すことは検討の対象にさえならないと思います。私は、大嘗祭が宗教儀式であることをよしとしますが、今回残念に思ったことがあります。それは、神饌のその後に関することです。日本全国の食材を選りすぐった神饌は、平成の大嘗祭では地中に埋められましたが、今回は関係者がいただくことになったそうです。捨ててしまうのは勿体ないから、良いことだと好意的な報道がされていました。しかし地中に埋めるのは捨てることではありません。生命の源である大地に還(かえ)すことなのです。貴重なもの、選りすぐったものだからこそ、母なる大地に還してやるのです。日本の歴史と風土に適(かな)った大事なことだったと思うのですが…。令和元年12月15日宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺住職 安藤明之十八日の朝詣りは午前6時半から行います。 -
令和元年11月 観音朝詣りのお知らせ
2019年11月17日先月はじめ、一団の女性たちの訪問を受けました。絵手紙の同好会の方たちで、境内を散策してスケッチしていいかとのご挨拶でした。もちろんかまいませんので、どうぞどうぞと言い、たまたま時間も空いていたので、少し案内をいたしました。秋の陽が爽やかに射す日でしたので、自然豊かな境内を楽しんでもらえたと思います。数日経って、来られた方々から絵手紙をいただきました。そのほとんどに五百羅漢の絵が描かれていました。平成九年から制作が始まった羅漢像は、羅漢渓と名付けた本堂の裏手に安置しています。現在430体になった像が、二手に分かれて並んでいる様は壮観です。いつの間にか、羅漢像群のある寺として知られるようになりました。先月には、下野新聞のコラムでも紹介されました。羅漢像群が映えるのは、祥雲寺が豊かな自然環境にあることが大きいと思います。12日の朝は、深い霧が立ちこめました。紅葉に包まれた境内も違った景色を見せます。今年は雨が多かったせいでしょうか、紅葉は黒ずんであまり鮮やかではないのですが、かえってそれが静寂のおもむきを深めます。霧に煙る松、ようやく鮮やかな黄色になった銀杏、黄色く色づいた萩の枝のたおやかなうねり、羅漢像群を霧が流れ、不思議な陰影を作り出していました。絵手紙の会の人たちが見た祥雲寺、霧の朝の祥雲寺、同じ処でも景色は刻一刻と変わり、同じものはありません。素晴らしいと思う時に心を止めて、それが絵になり、文になり、手紙になるのはなんと素晴らしいことでしょう。12月1日の無縁供養の日には、新たな羅漢像が10体開眼され、また少し景色が変わります。令和元年11月15日宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺住職 安藤明之十八日の朝詣りは午前6時半から行います。 -
7月7日 べんてんまつり
2019年7月21日7月7日は、境内にある弁財天さまのお祭りです。
今年も午前に弁天堂でお祭りをし、午後に音楽祭をして大勢の方に楽しんでいただけました。
七夕の日はいつも天候不順ですが、どうにか天気も持ってくれて無事つとまりました。
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写経会の案内
2019年5月11日心の体操 写経会のお誘い毎年恒例の花祭り写経会は無事開催することができました。祥雲寺では5月から11月 まで、毎月第2日曜日の午後2時から写経会を開催しています。写経された経文は経筒に納めて傳燈閣に保存されています。写経は法華経や般若経に功徳無量の仏行として仏教徒が勤めるべきものであると説かれています。近年では精神の安定と充実をもたらす心の体操であるとブームにもなっています。経文の一字一字を心を込めて書写するうちに、そのような効果が生まれるのは納得できるものです。どうぞお気軽にご参加ください。記令和元年度第1回 5月12日(日)午後2時より年間開催予定日 5/12,6/9,7/14,8/12,9/8,10/13,11/10(8月はお盆行事の都合により20日に開催します)納経会 12月8日納経料(任意)は納経会の日に納めて下さい。* 筆、墨、硯など必要なものは寺で用意しています。* 般若心経だけでなく短い経文の写経もしています。* 都合のつく日にご参加ください。 -
平成31年4月 観音朝詣りのお知らせ
2019年4月16日18日は平成最後の朝詣りになります。境内に西国三十三番観音霊場を建立するために三十余人の方々と巡礼を始めたのが平成元年です。4年がかりの巡礼で各霊場からいただいてきた土を台座の中に埋め込み、平成5年5月に祥雲寺霊場は完成しました。そして朝詣りが始まったのは、その年の10月18日です。朝詣り行事は、祥雲寺主催の観音霊場巡礼の基(もとい)ともなりました。西国、板東、秩父、最上の霊場巡礼は合わせて20次にもなります。平成時代の祥雲寺の行事は観音様信仰に貫かれていたといっても過言ではありません。観音経には、観世音菩薩は三十三の姿に身を変えて衆生を救い続けると説かれています。仏様、神様、国王、善男善女、子供、鬼神などが挙げられていますが、これは無限の象徴です。人の心の苦悩が無限であることに対応して、観音様も無限の現れ方をされると説かれているのです。自性清浄心といって、人は本来けがれなき清浄な心をそなえているとするのは、大乗仏教の基本です。仏心ともいいます。私には、神仏に祈る人々の心に観音様が宿っているように思えます。家族を思う父親にも、子を思う母親にも、戯れる子供の中にも観音様は宿っています。私は、昭和の時代に人となり、僧となり、平成の時代を住職としてつとめました。なすべきことをなさねばならない時を、皆様の信心と共に歩めたことを、ありがたく思います。平成31年4月15日宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺住職 安藤明之十八日の朝詣りは午前6時から行います。