ごあいさつ

宇都宮市の祥雲寺は歴史のある曹洞宗のお寺です。
栃木県庁のすぐ北にあり、自然林の中には西国三十三番の観音像が祀られています。
また、樹齢350年を超える枝垂れ桜の老樹は県天然記念物として有名です。
たくさんの方々に仏教を親しんでいただくことを願いとし、様々な信仰行事を催しています。

ようこそおまいり

地域や歴史について 栃木県宇都宮市の祥雲寺(曹洞宗) | 桜や祭りが名物の寺

お知らせの記事

  • 平成27年6月観音朝詣りのお知らせ

    2015年6月17日

     

    雨上がりの紫陽花

     

    弁天さまは、七福神ただ一人の女神さまです。

     

    祥雲寺では毎年七月七日に弁天さまのお祭りがあります。

    戦前まで現在の昭和小学校の所にまつられていました。

    正式の御名を宇賀耶弁財尊天といい、古くから信仰されていた由緒ある神様です。

    寺の前を流れていた西アサリ川に尊像が投げ捨てられるという事件があり、枝垂れ桜の下にあった天神様の小さなほこらの中に移されました。

    朱塗りの弁天堂が建ち現在の場所に安座したのは昭和三十年のことです。

     

    弁天さまは、もともとインドのサラスヴァティー川の女神です。

    大変な美人で、創造の神ブラフマー(梵天)が恋して妻としました。

    美しい姿をいつでも見られるようにと梵天さまはみずからの顔を四つにしました。

     

    サラスヴァティー川は、古代インドで聖なる川と讃えられました。

    しかし干上がって砂漠に消えたといわれます。

    近年、ランドサット衛星の映像分析で、たくさんの遺跡が地下を流れる川に沿ってあることが判明しました。

    この地下水脈がサラスヴァティー川だと推定されます。

    この川は世界四大文明の一つ、インダス文明の母なる川だったのです。

     

    お釈迦様のために祇園精舎を寄進したスダッタ長者は、この女神の信者でした。

    そのこともあって、仏教徒の守護神と信仰されるようになり、金光明王経には鎮護国家の神としてその功徳が記されています。

     

    弁天さまは、水の神、音楽・文学・芸術の神、魔を払って富をもたらす神、女性神として家庭の安全をもたらす女神さまです。

     

    七月七日は七夕の日。

    毎年たくさんの善男善女におまいりをいただき、所願成就の祈祷の法要が修行されています。

    法要の後には夏を乗り切る身体健全の効能あらたかな「すりばち灸」もあります。

     

    平成27年6月15日  祥雲寺住職 安藤明之

     

    18日の朝詣りは午前6時から行います。

     

    今年もたくさんの梅が実っています。

    朝詣りのあと、梅落としをいたしますので、一緒に採ってお持ち帰りください。

     

  • 平成27年5月観音朝詣りのお知らせ

    2015年5月13日

     

    4月末、早朝の藤の花

     

    我が説法は筏(いかだ)の喩(たとえ)のごとしと知るべし。

    法もなお捨てるべし。「金剛般若経」

     

    筏(いかだ)の喩えとは、お釈迦様が弟子達に説いた有名なたとえ話です。

     

    旅人が、大きな川に出会った。

    こちらの岸は危険で恐ろしく、向こう岸は安全であるとしよう。

    彼は草、木、枝、葉を集めて筏を組み、無事に川を渡ることができた。

     

    渡り終えて

    「この筏は私のためになった。行く先でも役に立つであろうからこれを持って行こう」

    こう考えることは正しいことであろうか。

     

    弟子たちは答えます。

    「正しいとは思いません」

     

    それではどうしたら彼は、その筏に対してなすべきことをなしたことになるのだろうか。

    すなわち、この筏は私のためになった。

    これによって安全にこちらの岸に渡った。

    私はこの筏を岸に引き上げ、あるいは水上に浮かべて、そのままにして行こう。

    彼がこのようにしたならば、筏に対してなすべきことをなしたのである。

    このように、ものに執着しないように、この筏のたとえを知っている君たちは教え(法)をもまた捨てるべきである。

     

    お釈迦様は、人間がどうしたらとらわれから離れることができるかについて、さまざまな形で説かれました。

    わかりやすいたとえ話もあれば、むずかしい理論もあります。

    厳しい修行への導きもあれば、深い慎みをもって日常を生きるべしとの諭(さと)しもあります。

     

    ひとつひとつは、解脱のためのすぐれた手立てであり、それが法です。

     

    しかし、いかに素晴らしい手立てであっても、それにとらわれてしまう時、それは「とらわれ」「足かせ」となります。

     

    お釈迦様は、みずからの教えさえも相対化する透徹した教えを説かれているのです。

     

    もちろん、法を捨てても、道を求めてたゆむことなく進むものには、清浄な心が保たれ、天地に恥じない人倫が貫かれていることは言うまでもありません。

    法とはそういうものです。

     

    平成27年5月13日  祥雲寺住職 安藤明之

     

    18日の朝詣りは午前6時から行います。

     

  • 27年4月観音朝詣りのお知らせ

    2015年4月17日

     

    今年の4月8日は雪の花祭りとなりました。

     

    天皇皇后両陛下は4月8日パラオを訪問し、翌日ペリリュー島の戦没者慰霊碑に供花されました。

     

    供花のあと、間近に見えるアンガウル島に向かって深く礼をされていました。

    昨年8月のこのお便りにも記しましたが、両陛下の慰霊はまことにありがたいことです。

     

    太平洋戦争有数の激戦となったパラオ諸島を守備したのは14師団です。

    ペリリュー島には水戸の第2連隊と高崎の第15連隊、アンガウル島には宇都宮の59連隊が配置され、いずれも玉砕しました。

     

    祥雲寺のお檀家にもこの地で戦死された方がいます。

    日中戦争から太平洋戦争まで、お檀家の戦死された御霊は167。

    改めて戦争の苛烈さを思います。

     

    いま、兵士になった人たちがこの世を去っていきます。

    兵士になった人たちのほとんどが大正の生まれです。

    すべて数え年で90歳を越えたのです。

    私にとっては親の年代の人たちです。

     

    兵士が戦闘のさまを語ることは、親子でもほとんどなかったでしょう。

    しかし、戦争は戦闘だけでなく、社会全体が巻き込まれるものです。

    欲望、残虐さ、人間の持つ狂気ともいうべき負の面が渦巻きます。

    戦場となった地だけでなく銃後においてもです。

     

    「あんなことはあってはならない」という、幾度も幾度も聞いた親たちの言葉は大切にしなければなりません。

     

    私は、軍隊は持たなければならないと思っています。

    子供時代、学生時代に声高に叫ばれていた非武装中立論は、今振り返ってみれば、非現実的なおとぎ話です。

     

    しかしそれでも、戦争を避けるという原則は崩してはなりません。

    為すべきは戦乱、戦争を起こさず、巻き込まれず、追い込まれないように努力することです。

     

    不戦は、戦争の時代を生きた人たちの次に生まれた私たちの、第一の立場でなければなりません。

     

    平成27年4月15日  祥雲寺住職 安藤明之

     

    18日の朝詣りは午前6時から行います。

     

  • 春の行事案内(早朝坐禅会)、しだれ桜開花情報

    2015年4月1日

     

    今日の予報は曇りのち雨

     

    桜はほぼ満開、今週中は見頃です。

     

    祥雲寺では毎週水曜日夜6時(第四水曜日は休み)より、雀宮布教所にて坐禅会を行ってきました。

    この春より、宇都宮祥雲寺の方でも坐禅会を行いたいと思います。

     

    場所: 祥雲寺本堂一階

    時間: 今月より第四月曜日(今月は27日)の朝6時半~8時(随時出入り可)

     

    以前東京で「朝活禅」なる活動をしていると聞きました。

    働いている人が出勤前に坐禅を行い、心身を調えて仕事に臨もう、というものだそうです。

     

    禅宗のお寺では朝「暁天」という坐禅修行の時間があります。

    これを大勢で勤め、好い心持で一日に臨める時間を持ってもらえればと思います。

    費用をいただくものではないので、時間内であれば自由に来ていただき、一緒に坐ってみてください。

     

  • 平成27年3月観音朝詣り

    2015年3月11日

     

    昭和23年に火事で焼ける前のしだれ桜。日本有数の巨木と言われていた。

     

    御仏も しあわせ満ちて おわすなれ

    彼岸会の朝 香華満ち満つ(梅花流御詠歌)

     

    彼岸会は、春分の日、秋分の日に太陽が真西に落ちることから、西方浄土が一番身近に感じられる時として、御先祖に想いを致し感謝の祈りをささげる年中行事です。

    また、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、天地陰陽の交替する時節であり、この時に持齋して行いを慎むと大きな功徳が生まれるとされました。

     

    実際、季節の移り変わりがはっきりしている日本にあって、春秋のこの時期は、風のそよぎ、光と影の移ろい、動植物のありさま、すべてに変化が感じられます。

    肌で感じる変化は時の移ろいを感じさせ、自然の素晴らしさを感じさせてもくれます。

    このようなときに私たちがこの世界に生かされて生きていることを実感し、そのことに対して感謝の思いを持つのはそれこそ自然なことであると思います。

     

    しあわせとは、お互いが感謝の思いを以て生きるときに生まれるものです。そして感謝こそは宗教の本質です。

     

    ところで現在、「宗教」という言葉はほとんどがマイナスイメージで使われています。「宗教」というと何かうさんくさいものとされ、公的な場からはどんどん排除されているのです。

    このような風潮の根源に、目に見えるものしか信用しない、目に見えないものもお金や物に換算して価値を計るという現代人の行動基準があります。

     

    しかし、本当の価値は目に見えないもの、物差しでは計れないものの中にあるのです。

    このことに気付いてほしいのです。

     

    最初の御詠歌の「み仏」は、「ほとけさま」と「御先祖」両方の意味にとれます。

    いのちをいただいたものへの感謝の思いを持って香華を手向ける。

    手向けた者にも、手向けられた方にも安らぎがあります。

    それが朝日に映えて澄みきっていて清々(すがすが)しい、そんな和歌です。

     

    平成27年3月15日  祥雲寺住職 安藤明之

     

    18日の朝詣りは午前6時から行います。

     

祥雲寺行事案内

祥雲寺で行ってる月例行事や年間行事、その他法要・祭りなどについてのご案内です。 行事カレンダーもご確認ください。