ごあいさつ

宇都宮市の祥雲寺は歴史のある曹洞宗のお寺です。
栃木県庁のすぐ北にあり、自然林の中には西国三十三番の観音像が祀られています。
また、樹齢350年を超える枝垂れ桜の老樹は県天然記念物として有名です。
たくさんの方々に仏教を親しんでいただくことを願いとし、様々な信仰行事を催しています。

ようこそおまいり

宇都宮 座禅 栃木県宇都宮市の祥雲寺(曹洞宗) | 桜や祭りが名物の寺

宇都宮 座禅

  • 令和6年7月 朝坐禅会「指月の会」案内(7月22日朝6時半より)

    2024年7月21日

    昨年の花祭り坐禅会

     

    いまだあきらめざれば人のためにとくべからずとおもふことなかれ 『正法眼蔵・自証三昧』

     

     先日栃木足利市で開催されている相田みつを展に行ってきました。

    この七月八月は生誕百年記念として、故郷足利の市立美術館で展覧会が行われています。

    足利市の商店街とも連携しているようで、下野新聞やNHKのとちぎ630でも度々取り上げられていて、広報にも力を入れているようです。

     

     先日足利の人と話す機会がありましたが、当の足利住民にはあまり周知されていないようです。

    足利の方からお話を聞く分には、まだ生前の相田さんをご存じの方も多く、郷土の偉人として見るには違和感があるのかな、といった処のようです。

    東京の相田みつを美術館も工事の為閉館してしまった事ですし、故郷の足利ででも常設展示されて欲しいものですが、中々難しいのかもしれません。

     

     私は東京に出た時、待ち合わせの時間まで待つ等の合間時間には、よく有楽町の相田みつを美術館に行っていました。

    静かな空間でくつろげるし仏教の勉強にもなるし、なにより励まされる思いで鑑賞できたからです。

    相田さんは曹洞宗の坐禅会に長く通い、人生の師と仰いだ武井老師はまさに曹洞宗の禅僧です。

    ご自身でも道元禅師の著作正法眼蔵を深く読み解かれ、作品の多くに禅の思想が息づいています。

    その作品がこれほど多くの人に支持され、感銘を与えている事実に、私は励ましを貰っていました。

    伝え方を工夫しなさい、と。

    私が学び見つけ伝えようとしている仏法は間違いなく素晴らしいものなのだ。

    今を生きる人の耳目に適した形に整えたなら、多くの人に響くではないか。

    伝え方を工夫するべきなのだ。

    我が宗祖道元禅師も言われています。

    いまだあきらめざれば人のためにとくべからずとおもふことなかれ

    悟りを得ないで他人に説くべきでないと思うのはまちがいである。

    人に法を説くとは、自分が法を聞くということである。

    究極、自他共に悟り到る事もある故に、導く工夫をすすむべし。

    だから、先人からの借り物の言葉で飾り鎧うばかりでなく、仏法を戴いた今を生きる自分の命から生まれる言葉で語ることを躊躇するな。

    私には相田さんの作品から、その歩みから叱咤激励を貰ってもいました。

     

     昔から、お寺が社会で果たす役割は二つあるのだと思っています。

    一つには仏法の道場としての役割。

    仏の教えに触れて、その妙味を感じ身と心を静めて、更には実践に望める仏法の空間、心の道場としてのお寺。

    一つには慰霊供養の場としての役割。

    檀家信徒の大切な方やご先祖を弔い祀り祈るのに相応しい場、供養の施設としてのお寺。

    どちらも欠かすことの出来ない、大切な役割です。

    この二輪の役割を伝わる言葉で語り果たしていくことが、社会に生きる人々の求めに応じる事であるのだと、お寺を預かる住職の勤めであるのだと思っています。

     

    祥雲寺 安藤淳之

     

    偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。

    欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。

    我を離れることの出来る閑かな時間、坐禅の時間を御一緒にいかがですか?

    当分の間は6時半開始、一炷(坐禅一座)のみとなります。
    初めての方は15分前に来てください。
    来月の開催は8月26日となります。
    また、雀宮善応院坐禅会は第四水曜日以外毎週行っています
  • 令和6年6月 朝坐禅会「指月の会」案内(6月24日朝6時半より)

    2024年6月23日

    インドネシア ボロブドゥール仏跡にて、唯一露出している仏塔内の仏様

    衆生無辺誓願度 「四句誓願文」

     祥雲寺海外仏跡参拝第三弾、インドネシアボロブドゥール仏跡参拝旅行に行ってきました。

    大変楽しい旅となり、また違う文化圏違う宗教の国に行くというのは、これまでと違った見方を体験できる得がたい機会でもありました。

    インドネシアはかつてはヒンズー教と仏教の国でしたが、現在ではイスラム教徒が八割の国で、仏教徒は人口の1%未満程だそうです。

    戦後の頃に中国系インドネシア人の僧侶ジナラッキタ師を中心に仏教の復興運動が興りました。

    ジナラッキタ師は観音信仰の家に育ち、長じて大乗と上座部両方の教えを受けられて、だからこそ

    どんな形の仏教であれ、それが等しく釈尊の教えを受け継ぐものならば、必ず優れた思想を含んでいて、尊重することが大切であるとのスタンスをとり、宗派や人種など様々在る垣根を越えてイスラム教徒が大半の国に仏教の花を再び開かせました。

    「純粋な仏教などあり得ない。仏教徒であることが第一に重用だ」という言葉に、師の姿勢が良く表れています。

     

     最近『ブッダという男 初期仏典を読みとく』という本を読み、色々と考えさせられました。

    曰く、仏教学を学び古典を紐解く者は釈尊を現代の価値観から見ても理想の人格者として強調する誘惑に常に駆られる。

    今日の倫理道徳規準から見ても遜色の無い、先駆的な偉大な人物であると描き出す風潮がある。

    著者は学者としてそこに疑義を唱え、可能な限り脚色を交えない、紀元前のインドに生きた一個の人間で在り、また様々な壁を乗り越えた特異な人物である釈尊を見いだそう、と挑戦する本でした。

    私も講義の先生から釈尊は説教の際には弟子達に「友よ」と語りかけて上下の別無く交わられていたと聞いたりもして、思い当たる節が色々浮かんできます。

     

     学問的研究の発展により、昔は釈尊の直言と言われていたお経が、後世の僧侶による創作「偽経」であると示される事など、根拠としていたものが曖昧になったり崩れたりする事はままあります。

    であるならば、仏教は学術的に間違いの無いもののみで語られるべきものであるのか。

    私はそうは思いません。

    今日を生きる私たちが頂く仏教は、今の環境や社会の中で惑い悩み乱れる心の問題にどう対応するのか、が第一で無くてはなりません。

    仏教は世界各地に伝わって、その土地の文化や環境に沿って柔軟に形を変え、適応してきました。

    そこに生きる人々のあり方に適して応える教えとなるため、変わってきたのです。

    時代風俗文化環境に合わせ、しかし仏の教えの根っこを失わない有り様こそが仏教なのです。

    時折、原始仏教つまり釈尊の説いた教えそのもの以外を認めない、という言説の方を見かけますが、私はそれに賛同しません。

    歴代の教えを伝えてきた祖師方は、今この土地に生きる人達に届く言葉を磨いて、だから今日の形となったのです。

     

    私は、仏教とは、仏さまの様な心で生きる術を説く教えであると理解し納得しています。

    この時代この地に生きる私たちがどうしたら仏心に生きる事が出来るのか、それは紀元前のインドで生まれた言葉や作法のままでは適用しきれません。

    故に現代の僧である私の役割は、今にあわせた言葉で語る、意訳も交えた翻訳者だと思っています。

    私は現代でこの教えの流れを引き継ぐ者として、大切なものを受け継ぎ育み伝えていけるよう、精進してゆきたいです。

     

    祥雲寺 安藤淳之

     

    偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。

    欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。

    我を離れることの出来る閑かな時間、坐禅の時間を御一緒にいかがですか?

    当分の間は6時半開始、一炷(坐禅一座)のみとなります。
    初めての方は15分前に来てください。
    来月の開催は7月22日となります。
    また、雀宮善応院坐禅会は第四水曜日以外毎週行っています
  • 令和6年5月 朝坐禅会「指月の会」案内(5月27日朝6時半より)

    2024年5月26日

     

     花はただ咲く ただひたすらに

    ただになれない 人間のわたし                 「相田みつを」

     

     上記は栃木県足利市の書家にして詩人、相田みつをの作品の一つです。

    「つまづいたっていいじゃないか、人間だもの」の言葉は、きっと皆さんも聞いたことがあるかと思います。

    今月20日で生誕百年を迎えたとのことで、下野新聞にも記事が載せられていました。

     

    相田さんは足利で生まれ活動し、長く曹洞宗のお寺の坐禅会に通われていました。

    ご自身でも深く勉強され、東京の相田みつを美術館では読み込みすぎてすり切れた正法眼蔵が展示されてもいました。

    だからこそ、その作品の多くに色濃く禅の思想や道元禅師の影響が表れています。

    感心するのは、経典の難しい言葉や思想を平易な、柔らかい、短い言葉で優しい文字でご自身の作品にされていることです。

    深く理解し、ご自身の血肉とされているからこそここまで自由闊達な表現が出来るのでしょう。

     

     私は東京に出て、ちょっと時間が空いたときには有楽町の国際フォーラム地下にあるあいだみつを美術館によく行っていました。

    勉強ともなり、素晴らしい作品に感銘を受けながら一息付けるので貴重な落ち着ける場所でしたが、残念ながら今年一月で施設工事の為閉館となりました。

    再開は未定とのことですが、是非ともまた開業してほしいものです。

    尚、今年の生誕百年を記念して、故郷足利の美術館にて7月から8月で展覧会が催されるそうです。

    私も行くつもりですが、興味を持った方には是非とも観覧してほしいものです。

     

     さて、上記の言葉は相田さんの素晴らしい作品の中でも、とても強く感銘を受けた作品です。

    出来るならば氏独特の字体で表現された原作をご覧頂きたいものですし、芸術表現は受け取る個々人の感想こそが正解なのですが、私なりに拙い感想を述べたいと思います。

    人が自然や山野に生きる動物に時に感銘を受けるのはどうしてなのか。

    作為も嘘偽りも無く有様そのままに生き生きとし、鎮座する曇り無さに感動するからではないでしょうか。

    有るべくしてあるものは、ただそのままに素晴らしく、円かに調和して、時に美しい。

    花はその命の有り様そのままに、力むことも心を費やすことも無くただ咲いてただ散る。

    迷いやとらわれはからいを持ち込まない、命そのままにただ生きる、ただ美しく在ることの素晴らしさを万の言葉より雄弁に表現し尽くしている。

    だから、花は「ただ」咲く ただひたすらに。

    でも私たちは、その素晴らしさを知ったとしても、なかなか同じように生きられるものではない。

    解っちゃいるけど、やめられない。 

    「ただ」になれない人間の私。

    そんな人間の弱さや悲哀を穏やかに受け止めてくれる、共感の、慈しみの眼差しを、私はこの一文に感じるのです。

    人の弱さに寄り添うように眼差しを向けてくれる、観音様とはこの様ではなかろうかと私は思っています。

     

    心にゆとりを持ちにくい現代だからこそ、多くの人に知ってほしいと願う作品です。

     

    祥雲寺 安藤淳之

     

    偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。

    欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。

    我を離れることの出来る閑かな時間、坐禅の時間を御一緒にいかがですか?

    当分の間は6時半開始、一炷(坐禅一座)のみとなります。
    初めての方は15分前に来てください。
    来月の開催は6月24日となります。
    また、雀宮善応院坐禅会は第四水曜日以外毎週行っています
  • 5月の諸行事

    2024年5月6日

     

    5月の諸行事 ご興味のある方はお問い合わせ下さい。

     

    ■雀宮善應院坐禅会(第四水曜日のみお休み)

     宇都宮南町1番36号「善應院」にて毎週水曜日(第四以外)夜6時から行っている坐禅会です。

      5月1日、8日、15日、29日

    ■月例坐禅会「指月の会」(527日)

     祥雲寺本堂にて毎月第四月曜朝6時半から行っている坐禅会です。

    ■テラヨガ(ヨガ教室)

     阿久津先生指導の下第一第三金曜日10時半から。初心者クラスは第二第四金曜日10時半から

      5月10日、17日、24日、31日

    ■陶芸教室「祥陶会」

     駐車場下の作陶場にて毎週火、木午後1時から行っています。

    ■石彫会「羅漢の会」

     毎週土曜午後、駐車場作事場にて石仏の彫刻を行っています。指導は松原「金野石材店」

    ■茶道教室

     月二回火曜日午後1時半から、裏千家平山尚子先生のご指導の下行っています。

      5月14日、28日

    ■写経会

     写経会は5月から11月、第二日曜日午後2時から行っています。

      5月12日

    ■御詠歌

     5月9日  10時~12時   東堂指導による月例講習

     5月13日  13時半~15時半 長岡公民館での月例講習

     5月21日  10時から12時  飯塚先生による隔月講習

    ■フラワーアレンジメント教室

     南宇都宮駅前「フラワー花亀」亀井先生指導の下第四水曜日午後1時半より行っています。

      5月22日

    ■折り紙教室

     カルチャースクール講師長谷川京子先生指導のもと第3水曜日午前10時よりより行っています。

      5月15日

    ■クラフトペーパー教室

     同じくカルチャースクール講師長谷川先生指導のもと第2月曜日午前10時より行っています。

      5月13日

    ■観音朝詣り

     境内33観音霊場を18日朝にお参りするミニ巡礼会です。開始時間は季節により前後します。

     今月は午前  6  時  から

                                   祥雲寺℡(028)622-5719

  • 令和6年4月 朝坐禅会「指月の会」案内(4月22日月曜朝6時半より)

    2024年4月20日


    本堂裏手新規墓地に咲く桜

    入鄽(にってん)垂手(すいしゅ)                 「十牛図」

     

     遂に私も骨董趣味に手を出しそうになりました。

    なんでも鑑定団に出てる趣味人の「ついついと~」をもう笑えませんね。

     

     デパートの催事に出ていた骨董屋が十牛図の茶碗を出していました。

    私は

    「買ったとしても何に使うのか?」

    「祖父の遺品で興味の薄い掛け軸や茶碗が押し入れ一杯に山になってるのに」

    「文人趣味に耽溺するのはほどほどにするべき」

    と煩悶して二時間行ったり来たりしてましたが、

    「話の種にすればいいじゃないか」

    と自分を納得させ売り場に行ってみれば買われて無くなっていました。

    良かったのやら悪かったのやら。

     

     十牛図というのは中国の禅僧が描いた、悟りに到ろうとする10の段階を示したものです。

    曹洞宗ではあまり用いられるものではなく、私は京極夏彦の『鉄鼠の檻』を読んで初めて知りました。

    悟りを牛に見立て、それを男が追い求める処から始まります。

    1枚目から6枚目で牛を求め、辿り、見つけ、捕まえ、ならし、連れ帰る。

    ここからが中々説明の付かないものですが、

    7枚目では牛を捕まえてきたことを忘れて、牛も忘れ去られる。

    8枚目では円相が描かれるのみとなり、ただ円かなるばかり。

    9枚目では無何有の山河が描かれ、全てはあるがままに美しい。

    10枚目では布袋様の様に福々しくなった男がまろやかな笑顔で人と接している。

     

     駒澤大学の先生は悟りによって問題が解決され問題意識そのものが無くなってしまったから牛は消え失せていると説明されていました。

    相対分別から脱け落ちてみれば全てはあるがままにまどかにある。

    作為も無く、有るべくして有るものは、ただそのままに素晴らしい。

    私は十枚目、入鄽垂手の絵を見る度に、我が坐禅の師、板橋禅師を思い出します。

    板橋禅師は出家し修行に励まれ、納得を得られた後福井の一寺院の住職になられました。

    しかし一人でいては怠け心が出てしまって修行にならないと、再び修行道場に戻られたのです。

    本山で指導役に任じられ、長じて禅師にまでなられましたが、

    本山の住職を退いても修行を離れることは無く、福井に御誕生寺を建立されて終生若い修行僧と共に修行生活に生きられました。

    ある先輩が禅師様を三毒、人を悩み惑わす煩悩、貪り怒り愚かしさから離れた人だと言っていたことがあります。

    禅師様は修行に臨む姿勢、その生涯その笑顔で、私に多くのことを教えてくださいました。

     

     茶器は他の手に渡りましたが、お示しは記憶と朝の座禅の習慣に生きています。

    スナフキンのように、物を持たない方が肩は軽いとうそぶくのも時には良いものでしょう。

     

                     祥雲寺 安藤淳之

     

    偏りのない、こだわりのない、囚われのない時間。

    欲から離れた、我を起点としない時間。これがそのまま非思量、ほとけ心に生きられる修行です。

    我を離れることの出来る閑かな時間、坐禅の時間を御一緒にいかがですか?

    当分の間は6時半開始、一炷(坐禅一座)のみとなります。
    初めての方は15分前に来てください。
    来月の開催は5月27日となります。
    また、雀宮善応院坐禅会は第四水曜日以外毎週行っています

     

祥雲寺行事案内

祥雲寺で行ってる月例行事や年間行事、その他法要・祭りなどについてのご案内です。 行事カレンダーもご確認ください。