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令和3年12月 観音朝詣りのお知らせ
2021年12月26日木材が値上がりしています。
輸入木材の高騰が原因です。
細かい経過は私には分かりませんが、ともかくコロナ禍の影響でアメリカを始め世界の国々で一戸建て住宅の需要が増し、木材が足らなくなったそうです。
12月9日朝のニュースでは、日本の会社がロシアの会社を買収して、九州と同じくらいの面積のシベリヤの森林の伐採事業権を手に入れたことが報じられていました。
シベリヤから木材が大量に輸入されることが期待されるとのことです。
私は、一連の木材をめぐる動きを残念に思います。
なぜ国産の木材が使われないのか。
日本は世界有数の森林国です。
それは歴史的に木を大切にし森を造ってきた結果です。
その伝統は縄文時代まで遡るでしょう。
もともと森林の形成に適した国土ですが、殆どが人工林です。
用途に合わせた木を育て、森を造り、自然を守ってきたのです。
それが、高度経済成長以来の政策では隅に押しやられ、林業は衰退の一途をたどりました。
効率重視の経済至上主義から安価な外材を輸入し続けた結果は、林業従事者の減少を招き、国産材の伐採、運搬もままならなくなりました。
現在の木材不足を機会として、政府は林業再生を計るべきです。
日本には豊富な森林資源があり、それを育て、管理し、活用する技術も伝統も世界一なのですから。
タイガと呼ばれるシベリヤの寒帯林の木は、基本的には切るべきではありません。
シベリヤの野生動物の写真を撮り続けている友人から聞いた話ですが、タイガの木は数万年に及ぶ時を経て形成されたもので、皆伐した森の再生は同じ時間がかかるということです。
森が無くなれば動物の住むところも無くなります。
もしロシアに森林保護の考えがないとすれば、日本の企業が権利を手にしたのを幸いに、日本の林業技術を駆使して、伐採しながらも、森が守られ、再生されていくような森林管理をしてほしいものです。
令和3年12月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺住職 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時半から行います。