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2月観音朝詣りのお知らせ
2023年2月14日かつて世界一と言われた日本の国際競争力が現在は34位だそうです。
ずいぶん低くなったものですが、その理由について非正規雇用労働者の増加と関係があるという識者の解説が紹介されていました。
バブル経済の崩壊後、たびたび起こった経済危機により企業の資金繰りが悪化しました。
経営者側は人件費をコストと考えており、コスト削減ためリストラが行われ、さらに就職氷河期と言われるほどに社員の新規採用を抑えました。
この結果足りなくなった人員は、主婦のパートや派遣社員、それに外国人労働者に求めました。
非正規雇用労働者に対しては賃金だけでなく厚生費や雇用保障に関する決定についても雇用側の力が大きくなり、安価に抑えられますから。
これに対して、組合を持つ労働者側も、自分たちの雇用が守られることを優先して、非正規雇用労働者の増大を是認しました。このような環境からは、新しい物を創り出したり、労働生産性を高める企画など出てこないというのです。
そもそも、人材をコストと考えるのが間違っているという指摘でした。人材は将来を生み出す資源であり、現場に即し、将来性を見越した育成が行われて会社は発展するのだと。
この解説は納得のいくものでした。確かに企業の置かれた危機的状況は深刻であったでしょうが、経営者も、労働者も、政府の政策も、無難に収まることを優先し、将来を担う若者を犠牲にして安易な方向に走ってしまった。
言ってみれば、困難に直面した時の勇気のなさの結果が国際競争力の低下となって現れたのです。
日本国民が直面する困難はこれからもたくさんあるはずです。
予期せぬものもあるでしょうが、少子高齢化に伴う問題はずっと昔から予想されています。
あるいは、食糧危機は地球規模で必ず起こるはずです。
分かっているのに手を打たなかった、手を打とうとしない、改革への勇気のない精神風土は改めなければなりません。令和5年2月15日
宇都宮市東戸祭1-1 祥雲寺住職 安藤明之
十八日の朝詣りは午前9時から行います。