ごあいさつ

宇都宮市の祥雲寺は歴史のある曹洞宗のお寺です。
栃木県庁のすぐ北にあり、自然林の中には西国三十三番の観音像が祀られています。
また、樹齢350年を超える枝垂れ桜の老樹は県天然記念物として有名です。
たくさんの方々に仏教を親しんでいただくことを願いとし、様々な信仰行事を催しています。

ようこそおまいり

しだれ桜 栃木県宇都宮市の祥雲寺(曹洞宗) | 桜や祭りが名物の寺

しだれ桜

  • 令和6年2月 朝坐禅会「指月の会」案内(2月26日6時半より)

    2024年2月25日

    紅梅白梅が見頃でしたが、先週からの空模様で大分散りました。 梅が散るとそろそろ桜の開花が間近に感じられます。

     

    仏性の戒珠心地に印す                  『証道歌』

     

     二月に入ってから多忙になり、中々掃除もままならない日々が続いています。

    なんとか春の彼岸迄には寺務関係の整理整頓を済まし、境内を整えていきたいところです。

     

    先日お葬儀に際して戒名を考案する際に、上記の文言を引用して作成しました。

    戒名というのは仏弟子となるにあたって授かるものです。

    俗世間の道理の中から離れ、無垢清浄の仏道に生き方を改めるに際して、その名前から改めるのが戒名授与、そして仏の教えそのものである仏戒を授かる授戒となります。

    お葬式とは、故人を仏として引導し、これからの道行きが清らかなることを願い祈る、授戒を行う儀礼です。

    故に戒名とは仏と成るにあたって授かる新しい名前なのですから、決して疎かに用意されるものではありません。

    故人の経歴、資質、徳行そして仏道をこれから歩む者への願い祈り、それらを勘案してつけられる宗教上の名前となります。

     

     戒名を作成する際、経典や祖録を出典に準備することはよくあります。

    上記の文章の出典である『証道歌』は中国禅宗の古いお経で、禅の心悟りの境地を数十の詩の形で歌い上げたものです。

    祥雲寺では三十三回忌の供養収めの際に参列者と御一緒に読経し、また新住職の就任式である晋山式では、本堂前に立てる大塔婆に別の一節を書き記しました。

    証道歌から用いようと内容の吟味検討に資料を漁っていたら、こんな解説に行き当たりました。

    「のぼせが下がった生命。是が仏性です。

     『正法眼蔵随聞記』にも「坐禅は自己の正体なり」という言葉がある。

     自己の正体とは正気の沙汰ということです。

     坐禅することがそのまま仏さまになることだというのは、坐禅することでのぼせが下がって正気の沙汰になるからです。

     ~中略~ 坐禅というのは、うっかりすると居眠りができるほど解放されて、しかもはっきり覚めているということが大切です。

     この覚めて生き生きしているのが仏性で、そういうのぼせの下がった生命になることを「授戒」という。

     戒といえはすぐ「あれをしてはいけない、これをしてはいけない」と思いがちだが、そういうことではない。

     ~中略~ 戒律を授かるとは、仏さまから伝わっているほんとうの自己の正体、のぼせが下がった生命に目覚めるということです。

     そういう達磨所伝の心、心地に落ち着くことがすなわち「仏性の戒珠心地に印す」です。」

    この解説文は内山興正老師の『禅の心悟りのうたー証道歌を味わう』からの抜粋です。

    昔の禅僧らしい、自己の到った見地を元に話されるので、自由闊達で地に足就いた、腑に落ちやすい説明です。

     

     故人は若い頃のご苦労が良い仁徳に実り、裏表無く真心で接する徳を育まれ、だからなのか虚心坦懐に多くの人と交友していたことに由来して引用しました。

    もって故人の冥福を祈る一助となれば幸いに思います。

  • 2月 観音朝詣りのご案内

    2024年2月17日

    涅槃図。2月15日のお釈迦様命日まで月の頭から本堂に掲げお参りのお経が読まれます。

     

    德あるは讃(ほ)むべし、德なきは憐(あは)れむべし

                    修證義第4章

     道元禅師が、愛情のこもった言葉の大切さを説いた教えの一節です。

     この言葉がある文章では、母親が赤児に対して抱くような深い愛情に裏打ちされた言葉が、天をもめぐらす力があるのだと禅師は仰っています。

     ここで「あはれむ」という言葉の意味を正しく捉えることが大切になります。

    この言葉には、弱い立場や逆境にある人に対して何とか救ってあげたいと思う「かわいそう」と繋がる感情が込められています。

    そのことは良いのですが、私たちは弱い立場や逆境にある人に対して、自分より劣ったという差別の感情をかかえがちです。

    その思いから発せられる憐れみの言葉は決して人を救う言葉とはなりません。

     

     今年の大河ドラマの主人公紫式部が作者の源氏物語は、平安文化の結晶であり日本を代表し世界に誇る文学です。

    その源氏物語の主題について、江戸時代の国学者本居宣長は「もののあはれ」であると言いました。

    「あはれ」あわれ、哀れ、憐れ、という言葉はたいへん奥の深いものです。

    本来、強い感動を示すときの言葉で、喜びにも、賛嘆にも使い、そしてかなしみの感情を伴います。

    「あはれむ」は「あはれ」の動詞のかたちで、愛情、愛惜の思いを含む言葉です。

     源氏物語は、時代を経て教理的な無常観や儒教の勧善懲悪の観点から読まれるようになりました。

    それを本居宣長は王朝文学本来の読み方に戻したのです。

    「もののあはれ」には、苦悩に満ちた王朝女性が折に触れて感じた、しみじみとした情趣や無常観的な哀愁が込められているといわれます。

     道元禅師は、王朝文化の素養豊かな家に生まれ育たれた方です。

    「德なきは憐れむべし」という言葉には、生きとし生けるものへの深い愛惜の思いがこもっていると思います。

     

      令和6年2月15日

    宇都宮市東戸祭1-1  祥雲寺東堂  安藤明之

    十八日の朝詣りは午前9時から行います。

  • 8月の諸行事

    2023年8月1日

    施餓鬼棚

     

    8月の諸行事 ご興味の方はお問い合わせ下さい。

    ■大施餓鬼会(8月29日午後1時護持会総会、2時法要、3時半頃塔婆配り)

     檀家全ての先祖供養法要。本年は11月晋山式注力のためこの三年と同じ規模開催。

     本年も境内墓地塔婆納めは寺で行い、境内外墓地塔婆のみお渡しします。

    ■初盆施餓鬼

     新盆の方対象のご供養法要。9時半説明会(お迎えの仕方等)。10時半法要

    ■お盆(盂蘭盆会)8月13日~16日

     13日午前迎え火、16日午前送り火。

    ■雀宮善應院坐禅会(第四水曜日のみお休み)

     宇都宮南町1番36号「善應院」にて毎週水曜日(第四以外)夜6時から行っている坐禅会です。

      8月2日、9日、(16日送り盆の為休止)、30日

    ■月例坐禅会「指月の会」(8月28日)

     祥雲寺本堂にて毎月第四月曜朝6時半から行っている坐禅会です。

    ■テラヨガ(ヨガ教室)

     阿久津先生指導の下第一第三金曜日10時半から。初心者クラスは第二第四金曜日10時半から

      8月4日、11日、18日、25日

    ■陶芸教室「祥陶会」

     駐車場下の作陶場にて毎週火、木午後1時から行っています。

    ■石彫会「羅漢の会」(8月はお休み)

     毎週土曜午後、駐車場作事場にて石仏の彫刻を行っています。指導は松原「金野石材店」

    ■茶道教室

     月二回火曜日午後2時から、裏千家鈴木宗陽先生のご指導の下行っています。

      8月8日、22日

    ■写経会

     写経会は5月から11月、第二日曜日午後2時から行っています。

      8月20日

    ■御詠歌

     8月はお休み

    ■フラワーアレンジメント教室

     南宇都宮駅前「フラワー花亀」亀井先生指導の下第四水曜日午後1時半より行っています。

      23日

    ■折り紙教室

     カルチャースクール講師長谷川京子先生指導のもと第3水曜日午前10時よりより行っています。

      23日

    ■クラフトペーパー教室

     同じくカルチャースクール講師長谷川先生指導のもと第2月曜日午前10時より行っています。

      21日

    ■観音朝詣り

     境内33観音霊場を18日朝にお参りするミニ巡礼会です。開始時間は季節により前後します。

     今月は午前  6  時  から

                                   祥雲寺℡(028)622-5719

  • 7月の諸行事

    2023年7月2日

     

    下野新聞に紹介頂き40人ほど来られていました。

    7月1日、ウクライナ戦争をヨーロッパ軍事史博士号のフィンランド人から講義を受けています

    7月の諸行事 ご興味の方はお問い合わせ下さい。

    ■ウクライナ戦争講演会(713時本堂にて)

     ヨーロッパ軍事史専門リース大博士号フィンランド人クリスト氏による講演。

    ■宇賀耶べんてん祭り(77日)

     境内に祀るべんてん様の例祭。10時法要11時音楽祭。祈祷札2千円で受け付け。

    ■雀宮善應院坐禅会(第四水曜日のみお休み)

     宇都宮南町1番36号「善應院」にて毎週水曜日(第四以外)夜6時から行っている坐禅会です。

      7月5日、12日、19日

    ■月例坐禅会「指月の会」(724日)

     祥雲寺本堂にて毎月第四月曜朝6時半から行っている坐禅会です。

    ■テラヨガ(ヨガ教室)

     阿久津先生指導の下第一第三金曜日10時半から。初心者クラスは第二第四金曜日10時半から

      7月14日、21日、28日

    ■陶芸教室「祥陶会」

     駐車場下の作陶場にて毎週火、木午後1時から行っています。

    ■石彫会「羅漢の会」

     毎週土曜午後、駐車場作事場にて石仏の彫刻を行っています。指導は松原「金野石材店」

    ■茶道教室

     月二回火曜日午後2時から、裏千家鈴木宗陽先生のご指導の下行っています。

      7月11日、25日

    ■写経会

     写経会は5月から11月、第二日曜日午後2時から行っています。

      7月9日

    ■御詠歌

     祥雲寺住職、並びに栃木市豊栖院飯塚先生の指導の下月2回行っています。

      7月3日  飯塚先生指導 御詠歌

      7月11日  前住職指導 御詠歌

      7月18日  前住職指導 長岡地区御詠歌

    ■フラワーアレンジメント教室

     南宇都宮駅前「フラワー花亀」亀井先生指導の下第四水曜日午後1時半より行っています。

      26日

    ■折り紙教室

     カルチャースクール講師長谷川京子先生指導のもと第3水曜日午前10時よりより行っています。

      19日

    ■クラフトペーパー教室

     同じくカルチャースクール講師長谷川先生指導のもと第2月曜日午前10時より行っています。

      10日

    ■観音朝詣り

     境内33観音霊場を18日朝にお参りするミニ巡礼会です。開始時間は季節により前後します。

     今月は午前  6  時  から

                                   祥雲寺℡(028)622-5719

  • 6月観音朝詣り

    2023年6月24日

    一切の生きとし生けるものは幸福であれ。

    スッタニパータ145偈 中村元訳

     

     生きとし生けるもの。なんと美しい言葉でしょう。

    私がこの言葉を初めて目にしたのは、古今和歌集の序文です。

    紀貫之の仮名序は「やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける」に始まり、「花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける」と人が感動を言葉にし、歌にすることを述べています。この世にある天地万物と吾(われ)が一体となっているという共感から生まれた感動であり、生きとし生けるものという言葉にはこの世界に生きるものへの限りない愛おしさが込められています。

     この言葉を知ってまもなく、岩波文庫の「ブッダのことば-スッタニパータ」を読んでいた時に目にしたのが冒頭の言葉です。

     スッタニパータは、最も早くに編まれた経であり、お釈迦様の肉声をそのままに伝えるものがあるといわれています。

    特に、143偈から152偈までの10の詩は慈しみの経といわれ、タイやスリランカの仏教徒は毎日となえているそうです。

     中村博士がいのちあるものの訳に生きとし生けるものということばを当てたことも素晴らしいと思います。

    さすがお釈迦様の教えに最も精通した大仏教学者です。

     

     冒頭の言葉の全文を記します。

     一切の生きとし生けるものは幸福であれ、安泰であれ、安楽であれ。いかなる生物生類であっても、怯えているものでも強剛なものでも悉く、長いものでも、大なるものでも、中位のものでも、短いものでも、微細または粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに或いは近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは幸福であれ。

      お釈迦様の慈しみであり、憐れみです。それはそのまま仏教徒の祈りです。

     令和5年6月15日

    宇都宮市東戸祭1-1  祥雲寺東堂 安藤明之

    十八日の朝詣りは午前6時から行います

祥雲寺行事案内

祥雲寺で行ってる月例行事や年間行事、その他法要・祭りなどについてのご案内です。 行事カレンダーもご確認ください。